ゲーム「金色のコルダ3」シリーズ感想
金色のコルダ3の舞台があまりにも面白すぎたのでゲームをやりはじめました。金色のコルダは多数の作品が出ていますが、3だけでかなりの膨大な数が出ているので、とりあえず3のシリーズの感想を一纏めにしてみました。
金色のコルダ3の舞台の感想はこちらから。
■ 金色のコルダとは
金色のコルダとはコーエーが発売している女性向け恋愛シミュレーションゲームです。無印、2f、2fアンコールでは、普通科の学生であり音楽の素人である女の子が音楽の精ファータに気に入られて魔法のヴァイオリンを与えられ、学内コンクールに参加する、というお話になっています。
金色のコルダ3では、幼少時代に天才と持て囃された女の子が主人公です。しかしとある出来事をきっかけにその才能に陰りを見せ、高校になるまで漫然と音楽を続けていきます。そこからの転機を描いていくのが「金色のコルダ3」です。
また、金色のコルダ3には続編が出ています。AnotherSky「feat神南」「feat至誠館」「feat天音学園」。プレイする前は、いや全部で4作品って長えよと思っていたりしたもんですが、すべてプレイしたことによって判明することがあるので未プレイの方はぜひ最後までプレイすることをオススメします。
ジャンル:恋愛シミュレーションゲーム
媒体:PSP
■ ゲームシステム
音楽
無印ではゲームシステムが結構難しい印象でした。これは本当に恋愛を主軸に置いているゲームなのかと首をかしげたくなるほどです。
やることは「楽譜を集める」「解釈を集める」「曲を練習する」「コンクールに出て演奏する」。2fから1人ではなくアンサンブル(少人数の編成)で演奏をするためゲームシステムが簡易化していき、3では同様のシステムとコンクール時の演奏で音ゲー仕様になっているというのが大きく変わった点でしょう。
音ゲーというのは誇張表現ではなく、本当に音ゲーのような譜面が表示されてリズムに合わせてボタンを押下するんです。これにはかなり驚きましたし笑いましたが、慣れてくると楽しかったです。意外と難しい譜面もあったりします。
また、feat神南・至誠館・天音学園と作品が進むにつれて「このシステムのこの部分が煩わしい!」と思った部分が改善されていくのもなかなか面白かったです。ユーザーの声をしっかりと聞いてる、すごい。
恋愛
好物をプレゼントしたり、好きな曲を聞かせてあげたり、お弁当を一緒に食べたり、一緒に練習したり、アンサンブルで完成度を高めたりすると好感度が上がり、恋愛イベントを進めることが出来ます。
金色のコルダ3では攻略人数がとても多く、恋愛シナリオが濃い人と薄い人がいたりしましたが、そこまで不満点はありませんでした。恋愛の過程が薄くて残念だと思うことはあっても「ハズレだ」と感じたことがなかったことが大きいと思います。みんながみんな、夏の間の短い期間を生き生きと過ごしていました。
AnotherSky(外伝)では攻略人数が減りましたがその分シナリオが厚く、既存キャラは「注目」と「逆注目」シナリオ、新規攻略キャラは「注目」シナリオのイベントをプレイすることができます。この「逆注目」というのはキャラクターが主人公に対して注目する、という意味です。注目と逆注目は話がまったく異なるのでキャラクターの別の一面を見ることが出来てかなり面白かったです。
■ 金色のコルダ3のストーリー
過去天才と言われていたが今は漫然とヴァイオリンを弾くだけの主人公の元に1通の手紙が届きます。「お前はここで終わるのか?」。その言葉に心を揺さぶられ、故郷を出て星奏学院という学校に通うところから物語は始まります。
その星奏学院という学校でアンサンブルを組み、地方大会に勝ち抜き、全国大会で優勝を目指すというのが話の主軸です。無印と大きく違うのは、スポ根のように熱い物語だということです。音楽への想い、仲間との友情、他の学校との競い合い、そして恋愛。この夏だけの、主人公を含めた学生たちの特別な出来事を傍で感じることができます(無印が熱くないと言っているのではなく、方向性が完全に異なる作品)
星奏学院として至誠館、神南、天音学園と競い、そして恋愛をしていくので関わってくる学校+自分の学校=攻略人数なので数がとても多いです。そのため攻略が大変なのと、恋愛シナリオが濃い人と薄い人がいるのが些細な難点かなと思います。メインシナリオは本当に良かった。
■ 金色のコルダ3 AnotherSky
feat神南のシナリオ
過去天才と言われていて…というのは一緒なんですが、手紙は届かず、今度は習っている音楽教室の先生から転校をすすめられます。
主人公は決意して神南(金色のコルダ3内で全国大会で競い合った学校)へ入学、というなんとも驚きな展開でした。この神南という学校で全国大会を目指していくというのが今作の主軸です。なので3とは全く異なったスタートとなります。
ショックだったのが、主人公と仲が良かった幼馴染と違う学校になったこと。その幼馴染とは必ず学校は一緒だと思ってたので、結構衝撃的でした。今作は「if」でもなんでもない、世界そのものが違うんだなと。
AnotherSkyでは攻略人数を減らしその分シナリオを手厚くしたため、キャラクターの初めて見る側面も見せてくれます。これがとても良かった!
メインシナリオを進めるだけでは分からない部分(そのキャラクターの背景や思想など)をキャラクターシナリオとして取り入れ、「注目」「逆注目」シナリオで全く違う観点から仲を深める。うーーーーん最高!
feat至誠館のシナリオ
過去天才(以下省略)、母親と一緒に仙台の親戚の元に引っ越す、というところから始まります。仙台に赴き、そこで明るい演奏をする男の子と出会い、至誠館という学校(金色のコルダ3内で地方大会で競い合った学校)に転校する。
しかし至誠館は男子校。主人公は一体どうやって男子校に入るのかと思ったらいきなり共学になってたので笑いました。今年(去年だったかな?)から共学になった、とのことです。
至誠館に転校した主人公は、傷害事件のせいで廃部の危機に陥っている吹奏楽部と一緒に全国大会で優勝を目指していくというお話です。どこの学校に入っても全国優勝を目指すのは変わりません。
この学校では吹奏楽部と吹奏楽部から離反した生徒たちが集まるブラスバンド部が対立しており、嫌がらせっぽいこともしてきます。一見するとブラスバンド部は嫌な奴、と思いがちなのですが、彼らも彼らなりの想いがあり、親しみやすい面もあるという素晴らしい見せ方をしています。
各キャラクターのシナリオを進めるとそういったメインキャラクター以外の側面を見せてくれるので、主人公と攻略キャラだけの世界ではなく、もっと色々なつながりがある世界なんだなと認識することが出来ました。
feat天音学園(横浜天音)のシナリオ
過去天才(以下略)が、横浜天音学園の入学パンフレットを見て転校するところから始まります。
ちなみに、主人公の小日向かなでちゃんは「停滞している今を変えたい」と思える熱く、強い子です。そんな彼女の最大の障害であるキャラクターがいる学校が横浜天音だったりします。コルダ3ではラスボスのような存在でした(そんな人でも恋愛ルートがあります)
そんな状態で一体どんな風になっていくのかと思ったら、思ったらもう、最高!!
今作では幼馴染が一緒に学校に転校してくれるのですが、初っ端からその幼馴染が退学になってしまい(!)、更に学校内は荒れ、いやもうこれ恋愛とかやってる暇ないんじゃないの?と首をかしげたくなるほど怒涛の展開が待ち構えていました。めっちゃ楽しかった。
この作品でもキャラクターシナリオを進めていると色んな側面が見えてきます。いや側面っていうか、主人公と一緒に成長する物語なんですよね。特に幼馴染のシナリオでそれを感じました。精神的に未熟で、大人になろうとしてなりきれなくて、でも欲しいものがあって、諦めようとしても結局諦めきれてない。でもそれは主人公だって一緒で、だからこそシナリオを進めること=その人物に関わっていくことで自分も相手もどんどん変化していくのがとても良かったです。
feat天音学園(函館天音)のシナリオ
なんと!!!コルダ無印&AnotherSkyを全部クリアしたら!!!函館天音のシナリオが解放される!!!無料で!!!わああああ太っ腹!!!!!
AnotherSkyには新キャラクター2人が追加されていますが恋愛要素が全くありません。イケメンがコンビニと楽器屋で接客してくれる程度に追加されたのが新キャラでした。
ゲームをクリアするとその2人の攻略が出来るようになる、というのは以前から聞いていたんです。聞いてたけど、函館天音に入学するシナリオが解放されるとか全く聞いてなかったよ!?!?ソフト一本分入ってるよ!?!?いや本当に、びっくりしました。太っ腹すぎ……
過去天才(以下略)がなぜかバスに揺られ、記憶を喪失しており、函館天音学園の目の前で降り、なぜか入学するところから始まります。
主人公はすべての記憶を失っていますが、函館天音に入って大会に参加していく内に段々と記憶を取り戻します。ですが、それは本当の記憶と言い難いものばかりです。なぜなら、他作品での思い出だから。
自分の記憶はなにが正しいのか、最終的にエンディングで選ぶことが出来ますがこの選択すらゾッとします。「どれかを選べる」ということはつまり裏を返せば「全部が本当じゃない」になるじゃないですか。攻略キャラの一人が言っていましたが、「自分が本当にここにいるのかわからない」状態なんです。主人公が選ぶことによって確定する、それくらいあやふやな世界がこの世界です。AnotherSkyそのものがあやふやなんだと思います。そして函館天音シナリオはとても繊細なもので成り立っています。いつ壊れるか分からない曖昧なものです。夢かうつつかすら分からない話です。
なぜこんなことになったのかについては、とある一人の傲慢な願いが原因のようです。傲慢ですが、些細な願いです。その些細な願いの代償がこれかと思うと、泣けてきます。この辺のことは是非プレイすることをオススメします。どうしようもないし、幸せとは言い難いけど、仕方ない。でも面白かったです。
■ まとめ
既に長い感想になってしまったので各キャラクターの感想は省略しましたが、コルダはここで語っていないキャラクター達の魅力いっぱいな作品ですので是非プレイすることをオススメします。無印時代からやるのも良し!
最終的に函館天音のどうしようもない感じを味わって胸に引っかき傷が出来たみたいな、そんな気持ちになってください。
プレイするのが面倒なら舞台を観るのをオススメします。とても面白いですよ!