ゲーム「幻想水滸伝I」感想
今は令和の時代ですが、そんな中で幻想水滸伝の内容をまったく知らずに過ごしてきたゲームオタクが存在するのだろうか?はい、います。私です。
令和の時代に何も知らずに幻想水滸伝をやったぞ!PSPで!という感想です。
最初に感想の結論を言いますね。
面白かったぞ!!ただし情緒不安定になるぞ!!
ジャンル:RPG
プレイ時間:24時間
媒体:PSP
■ あらすじ
公式にプロローグがあったので引用します。
プロローグがここまでなのであらすじを語ろうとするとネタバレになってしまうんですよね……なのでざっくりと説明しときます。「108人を揃えて巨悪と立ち向かう」お話だと思ってください。
■ 本作は水滸伝
あらすじでざっくり説明したけどそもそもこの作品は「水滸伝」なんですよね。中国の古いお話です。水滸伝は「108人揃って悪を打ち倒し国を救う」物語なので、まあ本作もそういうお話です。
実際ゲームをやる前は108人のところだけオマージュされてるのかと思ってたのですが、巨悪と戦うお話だし、主人公たちが拠点を構える場所がまさに水滸伝イメージっぽいので結構オマージュされてる……っぽいです!北方謙三の水滸伝すら読んだこと無いので詳しくは知らないんですが、知ってる人は結構面白いんじゃないかな。
■ ゲームシステム
古き良きRPGな本作。Wikipediaによると本作のキャッチコピーは「プレイステーションよ。これがRPGだ!」らしいので、見事作品を表したキャッチコピーとも言えるでしょう。
ドット絵
古き良きと言えばドットだろ!と思いますよね?私は思います。
等身が高めのドット絵なので結構新鮮でした。こういうのもいいね!
武器強化システム
ちょっと特殊だと感じたのがこの強化システムです。装備更新は普通のRPGのままなのですが、武器のみ装備を変えられず、各キャラそれぞれ強化していく必要があります。これが金がかかるんだ……。
紋章
恐らく幻想水滸伝の根底システムとも言えそうな紋章。こいつがとても便利です。こいつを付けることによって特殊技能や魔法が使えるようになるのだ!
特に便利だったのが経験値2倍ですね。こいつを取得してからはずっと付けていました。必要そうなダッシュ機能や、弱い敵と接敵しないような機能も紋章で管理できます。欲を言えばお金2倍とかも欲しかったな……。
戦闘
最高6人のパーティーを組んで戦う通常の戦闘。主人公以外はその時ストーリー上で必要なキャラを除き自由に編成を組めます。
キャラクターには個別の武器が存在し、攻撃可能距離がS・M・Lと分かれてます。隊列は前列3人、後列3人の2列で、距離Sのキャラを後列に置くと攻撃ができなくなるんです。これが面白かったなー!バランス考えて編成を組まないといけないのが楽しい。
ただ魔法使うキャラが距離Sだったのは納得いきませんがね。ルーク!お前のことだぞ!
戦争
なんと戦争もできてしまうんですこのゲーム。戦争とか難しいこといきなり言わないでよ……となるかもしれませんが、大丈夫。本作の戦争はじゃんけんシステムなのです!
戦争で選べるのは大まかに3種類。突撃、弓矢、魔法。これらがじゃんけんのように種類によって強弱が存在するので、最初はわからなくても次第になんとなくわかっていくシステムなのです!
ちなみにじゃんけんなので出目は完全ランダム。相手が何を出してくるか、後半になれば確実にわかりますが初期の頃は確実にはわかりません。なんとか勘で倒せ!弱点属性でやられたら味方が死ぬことがあるぞ!
そんなシビアなゲーム、幻想水滸伝です。
一騎打ち
通常戦闘で1vs1なのかと思った皆さん、はずれです。この一騎打ちシステムは特殊な戦闘なのです!また難しいこと言い出して……と思いますよね。ご安心ください。こちらはじゃんけんシステムを採用しております!しかも直前に相手が出目を匂わせてくるのでじゃんけんシステムを理解してさえいれば自分が何の行動を選べばいいのかわかりきっているのです!
一騎打ちでは、こうげき・ぼうぎょ・すてみの3種類。こちらはじゃんけんシステムと言われるとなんだかわかる気がしますね。相手は「この一撃に賭ける!」だとか「ここは慎重に……」とか言ってくるので何を選べばいいかわかりやすいのです。戦争より簡単!やったね!
本拠地
城って言われたのでPRGでよくある城をイメージしていたら思いっきり中国の「天然水上砦」ッッッ!!!って主張の本拠地が出てきてビビりました。
仲間を集めるたびに広がっていく本拠地システム。仲間は武人だけではなく普通に鍛冶屋やアイテム屋、金庫番など様々な人種が集まるので、それぞれのキャラたちが集まって普通の街として機能してくれたのが便利でした。ただし風呂はよくわからん……なんだあれ……。
~~~~ネタバレするよ~~~~
■ 真あらすじ
帝国の将軍である父を持つ主人公が、成り行きで帝国に反逆する解放軍のリーダーになって帝国を打ち倒すお話なのですが、もうね。これだけ言わせてください。
キャラ死にすぎ~~!!軽率に死にすぎ~~!!
自軍も敵軍も軽率に死んでいきます。
一番ショックだったのは主人公のことを一番心配して親身になってくれたグレミオが死んだところです。
次にショックだったのは主人公が親殺しの罪を背負ったところです。
他にもショックだったのは主人公の戦いに最後までついてきてくれた二人がエンディングで行方不明になったところです。
なんでそんなひどいことするの!!!
■ マルチエンディング
本作はマルチエンディングとなっていて、集めた仲間108人は選択肢や戦闘を間違えると簡単に死にますし、そうするとグッドエンドの条件を満たすことができません。
私は知らなかったのですが、とあるシーンまでに108人(グレミオ除く107人)揃えておくとグレミオが復活するらしいです。
グレミオが復活するかしないかでグッドエンドかノーマルエンドかが変わるのだと思います。
まあ私はノーマルエンドだったけどね!!
ノーマルエンディングも嫌いじゃないんですよ。
主人公が月夜に一人で旅に出るシーン、物悲しくて最高でした。解放軍のリーダーはもういらないから旅に出るのかな。それとも主人公は何かしたいことがあったのかな。そんな風に思えるエンディングでした。
グレミオ死んだままだけど……。
■ 帝国は悪だったか
帝国というより皇帝が愚かでしたね!!
元は「宮廷魔術師ウインディによって操られたせいでおかしくなった皇帝」のはずだったのに、実際は操られておらずウインディの悲しみを消したいがために操られているフリをしながら従ってきたと言ってたので「女に狂って意図的に帝国を壊滅に追いやった愚帝」ということになってしまうんだなぁ~~!!悲惨すぎない?
「皇帝は昔は素晴らしい人だった」と最後まで信じていた主人公の父親や、目の前で自白されたにも関わらず皇帝のことを想い続ける将軍たち。そして巻き添えを食らった帝国民たち。とばっちり具合がひどい。
皇帝はちゃんと自覚してたので、国を滅ぼしている自覚をし、それでも愛に生き愛に狂って好きな女と死んでいったはた迷惑な男だったな……と強く印象に残りました。ここまで自己中心的なキャラ久しぶりに見たよ。
皇帝のことが唯一好きになれたシーンが、皇帝と戦う前の口上でした。
「見るがいい、この庭を…。花さき乱れる 美しい場所だ、わたしに残された最後の帝国領だ」「この手で この最後の帝国領を まもってみせるぞ!」と言っていたシーンが一番好きになれた。この時はすごくカッコよかったよ。
■ 黒幕ウインディ
宮廷魔術師ウインディが黒幕なのは最初の頃から匂わされていたので、最初から最後までウインディは悪役でした。過去一族が凄惨に殺され、それゆえに世界に復讐を誓ったとしても、最初から最後まで悪役だったのは良かったと想います。
呆然としながら操ってると思っていた男の手で心中させられるのはあっけなくて最高でしたね。あの無情さ、素晴らしい。
ただ、なぜソウルイーターに固執してたのかがよくわからなかったです。現状のままの戦力で世界滅ぼせそうだけどなぁ……と頭をひねりました。
予想できるところとしては、実は世界はまだまだ広く、主人公たちがいる地域は井の中の蛙状態で力量不足、まだまだ力が足りないけどソウルイーターさえあればなんとか世界に通じるレベルだった、とか?うーん、わからん!
■ まとめ(ネタバレなし)
プレイ時間は約24時間。令和のこの時代にPSPを引っ張り出してジコジコと音を鳴らしながらプレイするのは感慨深かったです。
古き良きRPGで遊びやすく、わかりやすい。難易度もちょうどいい。ただし情緒は不安定になる。そんなゲームでした。
プレイしたことがない人は是非プレイして情緒を不安定にしてみよう!
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