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ゲーム「忘れものと落し物」感想

 ジャンル的にはノベルゲームと言ったところでしょうか。
 俺たちに翼はない(通称おれつば)と似てる、もしかしておれつばに影響を与えたフリーゲーム?と某所で噂されて気になったのでプレイしてみました。そのため比較して書いてます。

ジャンル:アドベンチャーゲーム
プレイ時間:3時間
媒体:PC

■ 物語について

 「僕」がゲームセンターでよく見かける「彼女」と接触した事からストーリーが始まります。「僕」と「彼女」とのやり取りがどこかおかしく、なんとも不思議な雰囲気を醸し出しています。
 「彼女」とは別に、後輩の「あさか」ちゃん、「彼女の姉」が登場します。彼女たちは一体なんなのか、それを読み進めていくお話です。






~~~~~~ネタバレするよ~~~~~~~




■ ミスリードがうまい

 後輩の「あさか」ちゃん、「彼女の姉」が登場した段階で、「ある人」の多重人格を匂わす描写がとても強く、そう感じていた。ええ、もう完全に信じてたとも。
「僕」と「彼女」がデートしてる当たりからなんだかおかしいぞと思っていたけれど、まさか「僕」こそが多重人格者だとは思わなかった!!いや~~~~びっくりした!!

■ 「僕」について

 「僕」は多重人格者で病を直すために催眠治療を行っていて、別人格が複数います。
「僕」と初期の「彼女」、「彼女の姉」。
医者で催眠治療のアプローチ中の初期以外の「彼女」と「あさか」ちゃん。
催眠治療中に生まれたもう1人の「彼女」と「ボク」。
これらの設定を良く考えたな~と感心しました。


■ 治療法について

 催眠治療はどんな治療だったかと言うと、別人格を別の人間として主人格に認識させ、その人間が死ぬ or 立ち去っていく、というイメージを植え付けることで多重人格の統合を目指すってことだったんですが、それが本当に面白い発想でした。実際の治療法かなにかなのかな?作中では結局失敗してるけど!
 最終的には各人格達はそれぞれの役目を終え消えていきます。自分から率先して治療?していってる訳です。
「存在理由を与えられた人格はその理由がなくなった場合消える」っていう描写がごく短い間に描かれてて興味深かったです。消える瞬間に名前を与えるのですが、この時「名前をつけて自分と別人として認識した後にさようならと言い合う」という事をやっていました。これ、医者が最初の治療法としてやろうとしていた事なんですよね。失敗してたけど。
 作中で一番スムーズだと思われる治療法を「彼ら」が率先してやっていたのも面白かったです。「自分に帰る」ではなく「今まで一緒にいた人達とは会えなくなるね、さようなら」


■ プレイヤーの役割

 このゲームはプレイヤーに役割を与えています。明言はされてないですが同じようにISHなのかな?うーん、でもそれとも異なるような…。
 医者が設定した「彼女」と今まで「僕」の内にいた「彼女」が治療中に合わさり、更に物語を進めていったおかげで生まれた「彼女」。この「彼女」が産んだ「ボク」。個人的にはこの「ボク」がISHとしての役割を大きく持っていると思います。
 これらを生み出すためにストーリーを進める=治療を進めていったというプレイヤーの能動的な動きが今作のメインだったのかなーと感じました。


■ おれつばとの比較

 2005年に「多重人格」についてこんな面白いアプローチしてるゲームがあったのか~と衝撃を感じました。ゲーム内には1997年って書いてあったし、構想自体はかなり前にあったのかな?
 おれつばと似てると思しき箇所、「主人公の名前」「ヒロインの名前」「多重人格」「プレイヤーの役割」。
たしかに羅列して考えると要素は似ているゲームなのかもしれないですが、でもそれだけです。おれつばとは全然違うと感じました。


■ まとめ

 古いゲームなので若干プレイしづらいですが、それも良い味を出しています。テーマも面白いし!
 プレイ時間は3時間ちょっと。暇つぶし程度で出来る時間なので、気になった方はぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。

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