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ゲーム「図書室のネヴァジスタ」感想

 最初、BLゲームだと勘違いしていたのですが、アップダウンが激しいミステリーでした。BLではないけど男たちが激重感情をお互いに持ってるよ!

ジャンル:ビジュアルノベル
プレイ時間:25~30時間くらい
媒体:PC

■ 心えぐられるストーリー

 このゲームすごいです。色々抉ってきます。シャベルで心を抉ってきます。
閉鎖的な空間、監禁された男、男を囲む少年達。閉鎖的な学校、新しく赴任してきた教師、大人を陥れて追い込むと噂の学生達。これらのキーワードをとても効果的に作品に入れてきて、事件が起きても何が起こっているのか分からずワクワクしました。
そしてその事件によって引き起こされた結果や、その事件を起こす原因となった事柄が、とても辛いものが多く、シナリオを読んで泣くことあり、胸が苦しくなることも多々あり。


■ 「何が起こったかよくわからない」感覚がすごい

 何が一番面白かったかと言うと、「何が起こったかよくわからない」これに尽きます。いやもう本当に分からない。なんでそうなったの!?なんで!?っていう疑問がつきまといます。
なので、事件の全貌が分からない最初の方がとにかく面白かったです。ミスリードやフラグの立て方がもう面白くて!これはこうなのか、それともこっちか、いやもしかして、というように楽しく推理出来ました。
謎の解答は各ルートすべてに用意されていますが、ルートによってどの謎が明かされるかが異なるのでそれも楽しかった要因です。「あ、これ謎だったか!そういえば!」というのもたまにありました。事件が衝撃的すぎて忘れちゃう。
 また、プレイした順番が良かったなとしみじみと思えました。最初瞠くんに行っちゃったのは失敗したけど(大団円ENDと思しきENDを見てしまったので)、辻村くんを最後にプレイ出来て良かったです。あれは最初に見ちゃ駄目だろ!攻略推奨順を簡単にでも教えてもらっておいて良かった。


■ モチーフが童話

 モチーフにピーターパンやロビンフットなど童話が多く取り入れられています。その童話に物語が、人物がどう繋がってくるのか、自分なりの解釈を考えるのもとても楽しかったです。今作は「ネヴァジスタ=永遠のもの=ピーターパンのネバーランドをイメージ」でしたのでピーターパンモチーフが主軸になっています。
 もしゲームをプレイする方、プレイした方でピーターパンの原作を読んでいないのであれば、読むことをオススメします。モチーフとなった物語との繋がりが色々な台詞から伺うことが出来るので、それを結びつけます。自分が見つけた何かの「意味」を持たせることが出来ます。そうすると、自分だけの「図書室のネヴァジスタ」の出来上がりです。そういう色々な解釈を考える事が出来る物語でした。


■ ボーナストラックについて

 ボーナストラックなどもすべて見ましたが、みんなが救われているルートのその後、のようなお話がありました。恐らく大団円END後の話だと思うのですが、さくっと終わってしまうのでなんだか簡単に解決したみたいだなという印象でした。作中での時間はかなり経っているみたいなので、順番に少しずつ解決していったのでしょうか。少しずつ、最善の選択肢を選んだのかな。みんな可愛かったので「良かったね」と思いつつなんだかしっくり来ませんでした。



~~~ネタバレするよ~~~~




■ エンディング

●眠ったふりをせずにEND
 賢太郎が可哀想すぎて胃が痛い。緩やかに人としての尊厳を奪われつつ衰弱して死ぬって、きつい。いや火だるまもキツかったけど!

●焼け野が原END
 一人だけ生き残ってしまうとか、もう、無理。白峰くんがワインを使って睡眠薬代わりにしたとかじゃなくて、みんなでワイン飲んだんだよね、たぶん。ネヴァジスタのENDは基本的にどうしようもないから感情のまま「辛い!ひどい!!」って叫ぶしか無いですね。

●沈黙の燐光END
 このエンドというか、辻村くんのルートは親世代の話が中心でとても面白い。っていうか神波さんはもっとひどい目にあうのかと思ってました。あれ意外と平気そう!人間の尊厳残ってる!主人公たちの方がよっぽど悲惨!

●冬来りなばEND
 物語の最初の部分、明確なきっかけが分かるENDでした。こう見せてくるのか!そして、神波についてもまさかこういう方向で驚かせてくれるとは思いませんでした。えー!想像もしてなかった!
やはりこのゲームは主役が変われば表現方法もガラリと変わってきますね。結末は決まっているけど、そこに至る過程が全く違う。表現方法も全く違う。ゆっくり遠回しにそのルートのテーマを見せてくるのが面白いです。

●アムネジアEND
 選択肢的にてっきりこっちが正解かと思ってました(もうひとつの選択肢で二人仲良く火だるまだと思ってた)。記憶障害っていうのもピーターパンのお話に深く関わってくるので、まだ全然考えられてないけどそこからつなげていったら面白いかもしれない。

●ねがい、BirthDayEND
 神波さんがこの時点で間違えてしまってて頭抱えた。って思ってたんだけど「ねがい」は神波さんの願望なのか。「もしあの時、肯定していたら?」という自問自答は何回もしたんだろう。「「はい」と答えていたら母は自分を見てくれたはずだ」という願望がつまったものに思える。取り返しがつかないけど願わずにいられない事、ということなのかな。

●インターセプトに(中略)その対処END
 END名長い!話はとても面白かった。メタ発言もこういう展開のなら全然あり。受け入れられる。全体的にギャグなのがとても良かったけど、個人的には最後までギャグに徹して欲しかったかも。あとこのルートの展開、なんだか既視感があるなぁと思ったら、キバヤシだ!
「~~ということなんだよ!」「な、なんだってー!」

●BONUSTRACK2
 幸せそうなみんなが見れて良かったです…良かったね瞠くん…これは瞠くんエンドのあとかな?でもこんなに一気に解決するか…?納得する答えが見つからない。

●BONUSTRACK3
 可愛いと思ったけど、こちらが何故最後に開くものなんだろ…?意味があるのか?こまけえことは気にせず萌えてろよ!って事なのかな


■ まとめ

 とても楽しくプレイすることが出来ました!プレイして良かったです!
プレイ時間はえーと、25時間とか?30時間とか?特に測ってないのであやふやですけど、たぶんそれくらいです。
ミステリーが好きならオススメ!

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