記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ゲーム「遙かなる時空の中で6」感想

 コーエーから出ている遙かなる時空の中でという恋愛シミュレーションゲーム、遙かなる時空の中で。通称遙か。今まで無印、2(途中までプレイ)、3、4、5となんだかんだ全てプレイしてきました。
遙か6って一部微妙なところもあるけど面白いぞ!!っていう感想です。

■ シリーズ初のフルボイス

 遙かシリーズで今回初のフルボイスでしたが、フルボイスってすごいんだなって実感しました。この台詞をそういう風に話すんだと驚いたり、「……」っていう台詞ってこんな感情豊かなんだ!って感動しました。フルボイスってすごいんだよ、全部声がつくんだよ(当たり前)
フルボイス実装してくれてありがとう公式!!


■ スチルは原画水野十子先生が描いている

 スチル(イベントシーンの一枚絵イラスト)も原画水野十子さんが全スチルを描いているとの事でしたので期待していた通り、ほぼ良かったです。全てのスチルを好きになってはいないですが、今までのシリーズの水野先生以外のスチルを思い起こせば「ブラーヴォ!」と言いながら拍手したいくらい。絵がきれいだな~!


■ ストーリー

 今作、1周目が本っっっっ当に面白かったです。
遙かシリーズは遙か3と遙か5で時空跳躍システム(その名の通り時空を飛び越えちゃうぜシステム)を使っていましたが、今回それはありません。無印と2を引き継いでいるかのようなお話でした。
また、遙かシリーズで重要だった「八葉(主人公を守る役職みたいなもの)」が全く話に出てきません。最後にほんの少しだけ出るくらい。しかしそれも納得の流れになっているので特に気になりません。
 遙かシリーズは現代の女の子が異世界に召喚され、龍神の神子という救世主の称号が押し付けられ世界の危機を救って!という役目も押し付けられるお話です。龍神には白龍と黒龍がおり、今までは白龍の神子が主人公でしたが、今回は黒龍の神子が主人公です。
ちなみに、異世界と言っても現実世界にそっくりな異世界です(※ただし怨霊とか神とかバケモノが出るよ!な世界)
そしてこの遙か6は大正時代。

 今回のお話を書いている人って、上げて下げて上げてっていう流れがとても上手で、古き良きファンタジーを堪能してる気分でした。序章から様々な謎を散りばめて、それらを解決する5章の盛り上がりが、もう、半端ない!すごい!!面白い!!
 全ルート大体同じ流れで同じシナリオなので2周目以降は各ルートに入るしか面白味がなかったのですが、1周目は攻略してるキャラクターが助けに入ってくれるタイミングとか話の盛り上がりで他のキャラが色々やってくれるタイミングとかが、熱いヒーロー物みたいな感じで!
1周目は息をつく暇もないくらい興奮しました。このゲームすごい!本当に面白い!!


■ 戦闘システム

 おっとこれは完っっっ全にソーシャルg(ry
主人公は全部で5枚、各キャラは4枚あるソ……なんとかっていうジャンルのゲームシステムに似てる戦闘システムです。私自身こういうのはレベルMAXにするのが大好きなのでキャラクターの札は全てMAXにしたのですが、うん……戦闘システムめっちゃ飽きる……つっまんn(ry
 実はこのゲーム、飽きた&面倒臭いというユーザーのための「一度勝利した戦闘をスキップ」出来るが機能があるのですが、ラスト1周だけ使ってみたら物凄く虚しくなりました。虚無だよ。





~~~~ネタバレするよ~~~~







■ 各エンド

 攻略順に書いてます。
攻略順はルード→ダリウス→九段→村雨→虎→片霧→コハク→有馬

・ ルードエンド

 1周目という贔屓目もあると思いますが、物凄く良かったです!
最初は冷めた目で主人公の事を見ていたルードくんも、こんな、ここまで綺麗に純粋に恋心を育んでいけるものかと驚きました。ルードくんは主人公より年下設定ですが、元々彼が持っていた重責を考えると大人びた性格も納得です。
このゲームの良い所って、各キャラが今現在出会った段階でこういう性格なのは何故か、過去・背景が納得出来るところだと思うんですよね!
 ルードくんは主人公と関わって恋心がきっかけで良い方向に変わることが出来ましたが、それは恋心だけではなく他のキャラ(モブキャラ)と出会って更に良い方向に進んでいったのが素晴らしいエンドでした。綺麗に収まったエンドです。
 あともうねーーーー、CV立花がねーーーーー!!!!なにこの人すごすぎなんじゃありませんか……無垢な少年の恋心を的確に音声で表現しすぎじゃないですか……SUGOI……
 ただし!!コーエーシリーズは大抵エンディングの時にポエムを流すのですが、このゲームではポエムの時に3D音声というものになってしまいます。あれです、耳がゾワッとするやつです(正式名称忘れた)
ルードくんとのエンディングは室内なのですが、室内なのにポエム&CV立花&3D音声という凶器トリオが組んだせいで、ベッドシーンみたいに聞こえてくる!!やめて笑っちゃうでしょ!!

・ダリウスエンド

 ぶっちゃけシュークリーム事件はびっくりしすぎて引きました!(更にぶっちゃけるとその時の梓ちゃん可愛すぎてこれは18禁同人誌が捗るぞと思いました)
ラストに向かう途中、4の想い出が蘇って「まさか…まさかな…?」と戦々恐々しながら最後を迎えたエンドです。綺麗に終わらせてくれて良かったー!と同時に白雪姫といばら姫っぽい設定が面白いなと思いました。
 ダリウスを花で満たしてあげるスチル、あれ見た瞬間「これは主人公が実は王子だった展開くる!?」と期待したのですが物凄く綺麗なオチでした。ルードくんの時にも思いましたが、このゲーム「綺麗」なんですよね。美しいというか、眩しいというか、浄化されていくというか。

・九段エンド

 九段は可愛いし、千代とのやり取りもすごく可愛いです。ええ、すごく可愛らしかったです!けどこの人現代に来ちゃ駄目じゃない!?あのエンディングを見て「よーし待っててね九段!私稼いでくるね!」とか思っちゃいましたよ私。正直九段ならそれも仕方ないなって思っちゃいましたよ私!まさか九段は占いで稼ぐつもりなのかな……
 このルートではおばあちゃんが一体誰かがはっきりとするエンディングでした。うん、まあ、1周目で分かってたけど!おばあちゃんになっても九段と仲良しなのは良かったです。かわいい。
九段とのやり取りで告白シーンもすごく可愛かったのですが、部屋に招いて何かするかも?なシーンの時、主人公が断って九段がガッカリしたのが(あ、男としての欲望あるんだ!)と驚きました。なんというかこう…九段ってほら…何故か女の子といるみたいで……

・村雨エンド

 村雨の正体、主人公が「もしかして…」というまで全く気が付きませんでした。いやなんかあるんだなーとは思ってたんですけどね、流してたというか!
このルート、村雨の大人のずるさ(良い意味でも悪い意味でも)を味わえるルートなんだなって思いました。さつきさんの事に関しては「いやどう聞いたってそれ彼女だったでしょ」というのを「同僚」ってさらっと嘘をつけるのがずるいなと(村雨本人は否定してますが、個人的に嘘だと解釈してます)
 でも良い意味でも大人なんですよね。助けを求めてる者を助けたくて巻き込まれてしまったのに自立しているというか、自分で判断して動いた部分の責任を把握してるというか。ここまで出来る大人なんてほとんどいないと思うけど、ちゃんとした「大人」でその「大人」の悩みや辛さに主人公が寄りそう(いやあれはぶつかるの方が正しいか)形で進展していくのがとても良かったです。
 村雨は「大人」が故に恋愛について主人公と線引しているのですが、主人公の考えや行動がいちいち可愛くて!!このルートでは攻略対象より主人公が好きでした。

・虎エンド

 風呂場事件とか最低だな……と思っていたらまさかの大逆転劇です。めっちゃくちゃカッコイイんですけど!!
虎は恐らく遙かシリーズ(恐らくコーエーの中でも)異色のキャラクターだと思います。系統が全く違う。こんなキャラで大丈夫なのか?とプレイ前は思ってました。いえ、他キャラクター攻略中もちょこっと思ってました。虎をプレイしてみました。い、いいじゃん……!
 父親を尊敬しつつも恐らくその最後を迎える羽目になった事に落胆しており、父親を貶めた対象に憤っており、長年その想いを自分の中に溜めこんでいた虎が、主人公に父親の姿を重ねてしまって段々虎の態度が柔らかくなっていくあのやり取り。最高でした。こんな怖そうな虎が「ヒーロー」になってる、なってしまってるシーン、最高です。そうこれこそがギャップ萌え。
卵焼きを焼いて上手く出来たやつを食べさせようとふらふら歩いているシーンすら、テキストでは数文、自動再生でも数秒のシーンも最高でした。
遙かシリーズのギャップ萌えの代名詞でいいんじゃないの?と思っているキャラです。
 また、まさか黄泉比良坂が出てくるとは思いませんでした!出てきた時には興奮しました!主人公が黄泉比良坂に引きずり込まれ、そこから出口まで黒龍の導きで歩き出す。虎もそれを追って主人公が歩いた後を追う。このシーン最高でした。大好きなシーンです。でも、黄泉比良坂を塞いでる岩石が虎の持ってきた爆薬で破壊出来たのは笑えました。いやしかし、格好良かった!虎はヒーローだった!
 そのキャラがまさかの現代エンド……!!でもなんとか働いてるみたいで良かったです。本当に良かった!虎を養うみたいな雰囲気だったら色々台無しだった!九段はしょうがないけど!

・片霧エンド

 ちょっと待ってこれ総長ってどこかの作品でエンディングを迎えた攻略対象だったりします????愛する妻を失いその妻を失ったのだから初志貫徹しないと妻が浮かばれない的な動機ですよねこれ???
っていう感じに総長が気になって仕方がなかったルートです。そ、総長の若い頃の写真を……是非……!
 秋平の話では、父親との思い出を思い出すシーン(目線が同じになった話)はすごく良かったです。ただ、どれも良かったな~と思えるのは父親関連で、ルート的にも秋平と一緒に父親を攻略しよう!みたいな感じに思えました。ラストで未だに父親が起きてなかったのだけ残念です。
個人的には主人公が病院に頻繁にお見舞いに行ってて、「最近では少しずつ話すようになった」みたいなお話の方が好きだな~と思いました。父親攻略完了的な。

・コハクエンド

 うーーーーーん……普通。コハク自体も普通なんですが、盛り上がるはずの「あのひどい訓練」の話が「ザパァッザパァッ」みたいな音しか無くて、水攻めされてんの?培養液で水攻め?みたいな印象しか抱けませんでした。
というのも、コハクで重要な話が「過去」と「なぜ憑闇になったのか」であり、「過去」はかなり早い段階で解決済みです。そしてかなり遅い段階で「なぜ憑闇になったのか」が判明します。話が盛り上がらない……。コハクの動機もあまり強くないので感情移入出来ませんでした。
 ですが、ラストの主人公を庇うシーンはとても良かった!そこから黒龍に願って対価を払うシーンも良かったです。最後の最後でちょっとだけご都合主義かな?と思ったりしましたが、このルートの黒龍って「神子、泣かないでくれ」とか言っちゃうかわいこちゃんなのでこの黒龍なら神子のためにご都合主義にしそうだなと思えたから問題なしです。

・有馬エンド

 このルートではまさかの禍津迦具土神の過去が語られます。っていうか有馬隊長ってそこにいたんですね!能力高いのはそういう訳だったんですね!むしろ子供時代どうやって生き抜いたのか、村はどうやって蛇神の呪縛から脱せたのかが物凄く気になります!
そしてうまいな~と思ったのが、過去関わっていたからこそ憑かれやすく、ループという呪いを受けたこと。そして神子がその呪いの渦中に助けに行くこと。この場面でこういう風にくるのかー!と驚きました。とても楽しかったです!
 恋愛では有馬自身がブレーキをかけてるため、梓ちゃん可哀想……とか思ってたのですが、ラストのラストで口喧嘩からの仲直りシーンはとても可愛かったです。周囲が出歯亀してるのも笑えて面白かった。

・通常エンド

 さーて次は大団円だぞーと思ったら通常でした。そして通常だとルートを決定する8月7日から9月1日まで全くイベントが起きません。そして9月1日には八葉全員揃わなくても禍津迦具土神に勝利することが出来ました。えええ……千代の努力は……?
 そして強制帰還でおばあちゃんが今までより更に強くフラグを匂わせて完。でもその匂わせ方がまるでホラーみたいな感じで、ちょっと笑いました。そこが面白かったかな。
それ以外はとても退屈なエンドでした。

・大団円エンド

 通常エンドが終わって再度キャラルートを選ばずに進むと、千代が努力するシーンで選択肢が現れました。通常エンドも条件に入っているのですね。
そしてこちらも全くイベントが起きないので退屈です。
 大団円エンドは千代と一緒に努力するエンドでした。その場合、主人公はちょっと大変なことになるはずなのですが、黒龍が「なんとかしといてやったぜ!あと、こっちに残るも向こうに帰るのも好きにしな!」という超ご都合主義展開でした。
その後の祝勝会で、なんと八葉全員給仕服着て給仕してる!!!爆笑しました。しかもその格好で主人公に対し、甘い言葉をささやきます。爆笑しました。うん、そこだけは面白かったかな……


■ まとめ

 正直、大団円&通常は面白くなかったですが、キャラクターはかなり良いと思います。そして、基本的に個別ルートが少ないので、少なすぎるので、恐らく時間のない方用に配慮されたんでしょうね!ゲームが苦手な方にも安心な作りになってます!
 何度も書いている気がしますが1周目が特に面白いので、恋愛シミュレーションに抵抗がない方でしたらオススメです!是非是非!

いいなと思ったら応援しよう!