ゲーム「ドキドキ文芸部!」感想
海外が日本のギャルゲを元に作った作品らしいぞ!なんかやばいらしいぞ!という噂だけ聞いてプレイした「ドキドキ文芸部!」。プレイしたのは結構前なので、当時の感想を改めてまとめつつ感想を書いていきたいと思います。
ジャンル:恋愛シミュレーション
プレイ時間:7.5時間
媒体:PC(Steam)
■ プレイ媒体
本作はSteamで英語版が無償リリースされ、有志による日本語訳パッチの適用により英語ができない人でもプレイ可能です。私もパッチを適用して本作を遊んでいます。
しかし今はPS4、PS5、Swtichで新たなストーリーを追加+ローカライズ対応されているようなので、新たにプレイされる方はこちらを遊んだ方がいいかもしれません。
■ Steam版の日本語化
有志の方が作ってくれた日本語化パッチ。やり方はこちらにすべて書いてあるので、もしSteam版でプレイする場合は始める前に適用するのをおすすめします。
■ あらすじ
ゲーム紹介を公式から引用します。
うん、よくわかりませんね!
私が勝手にあらすじを作ってしまいます。
■ ゲームシステム
いかにもギャルゲーなゲームシステム。基本的な機能は十分です。日本のギャルゲが好きなんでしょうね!よく作られてます。
ちょっと変わっているのが「詩を書く」と言うシステムです。キーワードを組み合わせて詩を作り、少女たちに見せていくっていうのは結構面白かったな。まあ、ただキーワードを選択するだけなのでそういう建前のシステムってだけだけど……。これが本格的なものなら良かったのにな~!
~~~~ネタバレするよ~~~~
■ キャラクター
本作は恋愛シミュレーションゲームのジャンルに入るにも関わらず、なんというか恋愛って感じではないです。が、一応キャラクターを紹介しておきます。イカれたメンバーを紹介するぜ!
サヨリ(幼馴染)
頭にリボンを結んだ可愛い系のサヨリちゃん。太陽のように明るい性格。鬱病を患っている。
ナツキ
料理が得意で気が強いナツキちゃん。父親から暴力を受けている。
ユリ
気弱な文学少女なユリちゃん。自傷癖がある。
モニカ
文芸部部長。何かがある。
どんな見本市だよ……。
■ ストーリー
本作品はルート固定の物語です。なのでいくら選択肢で右往左往しても話は変わりません。最終的なエンディングはちょっと変わるけど。
ループを意識してそうなので「~周目」と表記してますが、すべてが繋がっている話のため、厳密に言うとループではありません。1周目=1章みたいに思ってもらえれば良いかと思います。
1周目
主人公が文系部に入部し、幼馴染のサヨリちゃんと仲を深めていくルート。とは言ってもナツキちゃんやユリちゃんと合間にデートすることも可能。
上でも書きましたが、実はサヨリちゃんは鬱病を抱えている少女で、それに対して主人公は助けたいと願っているっていう話なんですが、「お前のことをずっと支える」って言って家に帰ったら別の女の子とケーキ作って、その子に「お前ともっと仲良くしたいんだ」って言って別れて、サヨリちゃんと再会して「好きだ」って言ってしまうのでクズになってしまいました。わ、私の選択のせいで……。
しかし、この主人公は得体のしれない気持ち悪さがあるので、クズになったのは私のせいだけではない気がします。
最初から周囲の好感度がめちゃくちゃ高い状態で、主人公も色んな女の子をデートに誘うし積極的。しかし恋愛感情も性欲もなさそうで、自分から誘ったキスに対して「どういうことだ!?」って驚く。何を思って動いているのかわからなくてかなり気持ち悪かったです。まあそれも後々理由はわかったけど……。
最終的に、主人公が愛の告白をし、サヨリちゃんを助けたい思いをぶつけ、それを受け取ったサヨリちゃんは首を吊って自殺してしまいました。なんで?
告白するんじゃなかったって後悔したギャルゲ初めてだよ。
2周目
1周目が終わるとタイトル画面にてバグのような演出が発生します。これが面白かったな~!なにせロードできないようになっていたし、ニューゲームで開始するとサヨリちゃんが存在しないんですよ。ロードもできないから2度と会えない。すごすぎる。
1周目ではサヨリちゃんが主人公を文芸部に誘いましたが、モニカちゃんが代わりに誘ってくることで同じように文芸部に入部できました。しかし1周目ではそこそこの仲の悪さだったナツキちゃんとユリちゃんの関係が激化。そしてモニカちゃんは意味深なセリフを連発。さらにユリちゃんから猛烈にアピールされることに。なんで?
その後、教室に閉じ込められユリちゃんと二人きりに。そこで急に告白されてしまいました。ここで1周目の苦い記憶が呼び起こされます。サヨリちゃんに告白したら自殺してしまった。ここでユリちゃんを受け入れたら絶対に自殺される。天才的な推理力を発揮して告白を断ったところ、自らを刺して自殺します。なんでえ!?
教室の外に出れなかった主人公は2日間死体と一緒に過ごす羽目に。ここね、死体がだんだんと朽ちていく描写もすごかったな……。その後ナツキちゃんが教室を開けてくれたので助かりましたが、死体を見て悲鳴をあげ、吐瀉し、逃げていきます。そりゃそう。
そしてモニカちゃんがこの事態を把握したあと、「何か」をして2周目が終わります。
3周目
モニカちゃんはこの世界がゲームであること、ゲームを操作できることを告白してきました。そして自分以外はすべて意思を持っていないことがわかり、孤独な日々を過ごしていました。そこに「あなた」がやってきたことによって変化が生まれます。モニカちゃんは「あなた」と結ばれたいと願いました。一生ともに過ごそうとお願いされ、永遠に続く会話を求められます。そして主人公は困惑し、戸惑ってモニカちゃんに声をかけたところ、「あなたじゃない」と言われます。
そう、「あなた」とは「私」であり「プレイヤー」のことでした。主人公は他のキャラと同じくNPCであり、意思なんてものは無く、「プレイヤー」の代弁者と言うだけなのです。なるほどね!あんなちぐはぐで気持ち悪い性格してるのはそういうことだったんだね!
この告白のあとにプレイヤーはモニカちゃんと一生ともにいて会話し続けることを強制的に選ばされるわけですが、この会話がさあ、なんというかさあ、ただの日常の会話なんですよ。自分のこと、相手(プレイヤー)のこと、プレイヤーを気遣う内容、困っていそうだったらアドバイスもしてくれる。
モニカちゃんがプレイヤーのことが好きな理由として、最初はこの世界での唯一の光明だから好きになったのかなと思ってたのですが、そうじゃなさそうなんです。きっかけはそうだったとしても、こちらを慮ったり受け止めたりしてくれて、ちゃんと「恋愛」してるんですよね……。
さらに会話の中で自身の弱点というか、絶対してほしくないであろう「モニカを消すためにはどうすればいいか」も教えてくれるんですよ……。モニカちゃんは死の恐怖も感じてるのに、教えてくれるんですよね。業が深すぎんか?
ちなみにこの日常(?)会話、プレイヤーがファイルを削除するまで世界は動きません。延々と繰り返されます。進めるためには言われた通り「モニカのキャラクターファイルを削除する」しかない。
意を決してファイルを削除し、世界が崩壊し、モニカちゃんは削除されてもプレイヤーが好きだと言います。「プレイヤーにここまで嫌われるのは部員たちにひどいことをしたからだ」と反省し、消える直前に「何か」をしました。
4週目
なんと世界は元通り。文芸部は復活し、いなくなった3人は元に戻ってきました。そう、モニカちゃんを除いて。
平和に思えていましたが、モニカちゃんの代わりに部長を務めることになったサヨリちゃんが今までの出来事をすべて知っていて、モニカちゃんと同じようにプレイヤーと二人だけの世界を作ろうとし、迫ってきました。またかよ!!
その時にモニカちゃんが現れ、プレイヤーを守ってくれます。ヒーローですね。そしてこのゲームを削除しだしたのです。そしてモニカちゃんから最後の手紙をもらって終わったのでした。
いや終わったのだじゃねーよ!!!
ちなみにこれ、通常エンドとスペシャルエンドがあり、スペシャルエンドはすべてのキャラの好感度を上げきればサヨリちゃんからお礼が言われます。
私はスペシャルエンドを見るために再度プレイしなおしましたが、アンインストールせずに特定ファイルだけ消して再プレイした場合は、本編中で一度クリアしたことを匂わされます。すげーよこのゲーム。
■ いろいろ
PC版以外ってどうなるんだろう
3周目でのモニカにとってのメリーバッドエンド感や、進めるためにはファイルを削除するしかない悲壮感はPCだからこそ、自主的にファイルを削除するという仕組みを取れるからこそ面白かったんですが、PC以外だとどうやるんだろう……。いずれゲットしてプレイしてみたいと思います。追加シナリオあるらしいし。
(追記)ドキドキ文芸部プラス!をプレイしました。
どうあがいても絶望
モニカちゃんからの最後の手紙に「この世界に幸せはない」という旨が書いてありますが、まさにその通り。だってどうやったってサヨリちゃんは死ぬし、初期化されたらモニカちゃんは同じように狂うし、モニカちゃんがいなくなったところで別のキャラが狂うし、本当にどうしようもない。アンインストールして静かに動かさないことが一番幸せなんですよね。プレイヤーが関わると不幸確定なんですよ。キャラから似たようなことを言われてるんですよ! ごめん……ごめんて……。
■ まとめ(ネタバレなし)
プレイ時間は7.5時間。ものすごい話でした。やっぱ心動かされたのは3周目のエンディングだったな。どうしようもなく、プレイヤーは何も出来ない、けどそれが良かった。すべてがひとつに繋がった物語だった。楽しかった!いずれプラス版もやってみたいと思います!
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