【本好きの聖地で働く】⑩最終面談と退任式
とりあえず、内定のハガキがきました。
健康診断だの最終面談だの、まだなんとなくやることあるみたいです。
健康診断は初任だし「しないとなぁ」と思ったのですが・・・
(最終面談ってなに!?内定取り消しとかあんの!?)って思って焦りました。
リーマンショックの影響を少しは受けていた時代だったので、ビビりました。
公務員の試験で、そんなことはほとんどないですよ。
まぁ、今だから言える笑い話ですよね。
最終面談
最終面談の場所がまた……すごかったです。
最初、県庁に集合だったんです。
担当の方の誘導で、そこから移動しました。
外に出て、道路渡って、古びたアパートを登って行きました。
(えっこれ、どこ連れていかれんの!?)
面談の会場は、元官舎だった場所の一室だったんです。
控え室も同じアパートの上の階でした。
だから、10人位の受験者は、アパートの一室で待ってて、係の人に呼ばれたら荷物を持って、下の階に降りて行きます。
それから、面談場所の部屋の前に置かれたパイプ椅子に座ってました。
座った所の後ろは別の部屋の扉、左は壁、右は階段という状況でした。
暇だったので、ふと下を見たら、おばちゃんが通っているのが見えました。
(日常だ)
緊張をほぐすために、階段の下に見える人々や車を見ながらそう思いました。
退職準備
そして、私が小学校を辞めることが正式に決まりました。
あーやっぱり寂しいなぁ。
【50冊の本】オススメ本リスト
寂しさが高じて……私がいたという証しに、50冊の本というリストを作って、学校図書館内に掲示しました。
ちゃんと学年ごとに本の種類は変えてますよ。
もちろんです!
本好きが多い小学校なので、それを見て借りてくれる子もいて、作って良かったと嬉しくなりました。
卒業生への贈り物
それから、いろいろと助けてくれた卒業生に何か贈り物をしたいと思いました。そこで、図書部として組ませてもらっていた司書教諭の先生に相談しました。
すると例年、その子の読んだ本のリストを冊子にして渡していると聞きました。
最初はそうしようと思ったんです。
でも、自分にしか出来ないことがしたいって思ったんです。
そこで!
一人一人の個性とか好きなこととかを先生やクラスメートに聞いて、その子だけのブックリストを作るのはどうだろうかと考えたんです。
しかも全部手書きで。
3か月くらい掛かって、70人全員分書きました。
一人一人の顔を思い浮かべて、一字一字書くのは、ワクワクしました。
字、綺麗じゃないので緊張しながらですが。そしたらみんな、すごく喜んでくれて、退任式の日には、先生を通して手紙もくれたんですよ。
退任式当日
あー寂しい。
退任式当日は、この想いでいっぱいでしたよ。
私は、職員室での最後の挨拶で涙が止まりませんでした。
こんなに小学校が好きになるなんて思いませんでした。
子供たちも、先生方も、自校給食も、大好きでした。
その小学校で学んだことを胸に、私は次のステップに進みました。