Xデザイン学校 2024年度マスターコース振り返り #2(ビジネスデザインリサーチ)
今回のテーマは「ビジネスデザインリサーチ」。冒頭に課題企業から提案依頼が示され、今回は対象となるプロジェクト(ビジネス)の背景や課題企業の組織文化・アセットなどについて、整理を行った。来月はビジョン探索、再来月はユーザー探索と、今後レイヤーを重ねていくことで、現時点ではまだ粗々なビジネスデザインをアップデートし、提案としてまとめていく感じになるのかなと思う。
なりきりインタビュー(デスクリサーチのアウトプットとして)
で、今回はビジネスインタビューを行うというのだけど、どうやら今回の課題企業の社員さんに行うのではなく、各チームの誰かが課題企業の社員・関係者になりきって、インタビューを行うのだという。
。。。えっ、なりきって?
まぁ一応自分なりに予め当該プロジェクトの周辺情報は集めていて、ポイントになりそうな所はメモしていたし、多分チームメンバーもみんな事前に色々調べていたとは思うのだけど、とはいえ課題企業の業界経験もない者が突然社員になりきって自分の知ってることを答えたところで、ビジネスの背景や組織文化・アセットなど深掘りできるものなんだろうか。。。?と、最初チームのなかで相談して「ChatGPTに答えてもらおうか」という話になった。
が、この進め方に山崎先生からNGがでた。「インタビューは相手との関係を深めることに意味があるんだから、このワークを通してチームメンバーどうし仲良くなってもらわないと。会話でいいんですよ」。
あ、なるほどなぁと思った。インタビューを受けることによって自身の考えが整理されたり考えが変わることって結構あるけど、相手と向き合うことて自分と向き合うようになるというか、そうした中動的なインタラクションを通じてお互いの思考を深めていけるのが、インタビューの良さなんだと思う。そうか、まずデスクリサーチをしたメンバーどうしでキャッチボールしあうだけでも、いろんな気づきが得られ、整理できるんだと。
自分が事前に調べて気になっていたことなどを社員役になったチームメンバーにぶつけてみる。相手は相手なりに事前に調べたことを踏まえて「社員になりきって」答えを返してくれるのだけど、面白いのはその返しが自身の気づきになるだけでなく、相手自身も言語化によって「ああ!あの記事にはそういう背景があったのか」という気づきを得る。インタビューのやり取りで何度もチームメンバーから「ああ、そうか!」という声がこぼれたのが何より面白かった。
なりきりインタビューを終え、チームでラップアップを行ってみると、仮説的ながらもプロジェクト(ビジネス)の背景や課題企業の組織文化・アセットなんかが見えてくる。そうすると「こういう未来を、この企業ならもたらすことができるんじゃないか?」という可能性が見えてくる。そして何より、その未来の可能性をチームメンバーで共感しあうことができる。他のメンバーがどう感じたかはわからないけど、自分なりにその手応えを感じることができた。
業務のなかでもデスクリサーチのアウトプットってどうするのがいいんだろうかと悩んでいたのだけど、こういうやり方でやるとチームメンバーどうしの理解が深まりあうんだなぁと、目から鱗だった。今度仕事でもやってみようw
探索段階では準備しすぎず、「セッション」のための余白をつくっておく
最低限のデスクリサーチは必要だと思うのだけど、でもカチカチに準備しすぎなくてもいいんだろうなというのも、今回のインタビューを通じて感じることができた。実は先月の講義終了後、グロービスで教わったような分析をひとりで本格的にやってみようと思ったのだけど、ひとりでフレームワークに落とし込んでも意味がない(チームで浮いてしまいそう)と思ったのでやめたw
でもそうして準備しすぎなかった結果、その余白にチームで一緒に可能性を見出すことができ、目線合わせをすることができたのかなと思う。よく「会議は準備が8割」というけど、会議の性質が探索型か収束型かで、残りの2割に何を期待するのかも違うのだろう。2年前のベーシックコースのときに浅野先生が「プレゼンは作りすぎず、8割ぐらいにするのがいい」と話していた記憶があるのだけど、ここでいう残りの2割も、相手とのセッションを楽しむための余白と捉えるのがいいんだろうな。
探索段階で答えを求めにいく必要はないというか。今は余白での「セッション」を通じてチームのなかから「ああ、そうか!」という声がこぼれるのを楽しんだほうが、結果的によいものが生まれるのかもしれないなと思った。
とはいえ、何も準備しないのもどうかと思うし、この「8割」の塩梅が難しいよなとw その塩梅を引き続きチームのみんなと確認しあいながら、かつその場を一緒に楽しみながら、探索を進めていきたい。