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毎朝ドリップ#53 夢の話をするのって恥部を晒してるみたいで勇気いるよね 2024.12.13

夢。
夜に見る夢の話を誰かにするとき、いつも「恥部を晒しているようで恥ずかしい…」と思う。

夢は脳が見せるまぼろしで、
そこには自分の考えとか悩みとか願望とかがむき出しになっていて、それを知られることが恥ずかしい。

例えば

友人がどんどん昇進・昇給する姿を見て焦っていたころ、その友人と山に登る夢を見た。
夢の中で友人は私を置いてどんどん先に進んで行ってしまう。
「待って!」と声をかけても無視して行ってしまうので、心細くなって泣き出したところで目が覚めた。

あるいは

母とのLINEで向こうの意図が分からず「何か怒らせたのかも」と思っていたとき、
母に面と向かって「あんたのことなんか大っ嫌いやわ!」と言われる夢を見て、
「お母さんがそんな事言うわけないやろ!!」とブチギレながら起きたことがある。

魚屋だった祖母が鯛を捌くのを見た夜は、
鬼を捕まえてその腕を切り落とし、捌いて食べる夢を見たし、

仕事でグループを取りまとめる役がうまくいかず思い悩んでいたときは、
生徒会の会長として文化祭の準備をするのに、生徒会メンバーが離れて行ってしまって途方に暮れる夢を見た。

最近、復職したけど「スロースタート」でやることがほとんどなく、
自分とは関係のないところで色んな事が進んでいくのをただ眺めているだけなのだが、
ある夜、友達から仲間外れにされる夢を見て「ああ、私は今『蚊帳の外』感を感じているのか」と思ったものである。

自分の置かれている状況と、夢に描かれるストーリーがあまりにも一致するので、
自分が今なにに思い悩み、どのように現実を受けとめているのか把握するのに役立っていて、
それはそれで、大変たすかる。

でも、心の中身を全部晒しているようで、
夢の話をする時は、いつもちょっと恥ずかしい。

だから他の人から夢の話を聞かされると、ちょっとドキッとしてしまう。

心の中を覗いているようで、なんだか「ゴメンネ」と思うのだ。


マーベルのシリーズのひとつ「ワンダ・ヴィジョン」か「ドクター・ストレンジ」だったと思うんだけど、

「夢で見る自分は、別の宇宙にいる自分で、そこでいま起きていることを、夢として見ているのだ」
みたいなセリフが出てくる。

このシーンを観た時、そういえば何度も同じ場所を舞台にした夢を見るなと思った。

ストーリーは全然違うけど、夢の中に同じ場所が出てきて、その度に「ああ、またここか」と夢の中で思う。

何ヶ所かあって、洞窟とか、学校とか、村みたいな場所とか、屋敷の中とか。

洞窟に居る時、私はドラゴンの背に乗って空を飛び回り、
屋敷に居る時は大量の蜘蛛とか虹色の虫と戦ったりする。

夢で見る自分は、別の宇宙にいる自分。

ほーう。ははーん。

つまり別の宇宙にいる私は、ドラゴンの背中に乗って空を飛び回ったり、蜘蛛やら虫やらと戦ったりしているわけだ。

なんだか賑やかで楽しそうな生活で、ちょっと羨ましくなってしまう。


あっちの宇宙にいる私は、パソコンの前でウンウン唸ったり、毎朝せっせとコーヒーを入れる私のことを、夢に見たりするんだろうか。

ドラゴンと暮らす現実と比べて、ずいぶん地味な夢だと思うだろうか。
それとも、これはこれでエキサイティングだと感じるんだろうか。

あっちの私はこっちの私が知らないものをたくさん知っていて、それはどれも楽しくて美しい。

でもそれを人に話すのは、恥部を晒しているようで、やっぱりちょっと恥ずかしい。

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