【ADHDかも?】当事者から見る判断基準【SNSでは診断できない】
SNSで広がっている情報などを見て、「自分ってもしかしてADHDかも?」と思っている人は多いのではないだろうか。
また、「病院に行けばみんなADHDって診断されるんじゃないの」「昔は発達障害なんてなかった、そんなものはでっち上げだ」と思っている人もいるだろう。
しかし、実際に心療内科や精神科を受診するのにはなかなかのハードルがある。
ということで、ADHDと診断され、治療をしてきた私が「どういう人がADHDか」を示してみようと思う。私の経験則だけではなく、精神科医や心理士と何度も情報交換をして得た知見も盛り込んでいく。
SNSでよく見る誰にでも当てはまりそうな「ADHDあるある」ではなく、ガチのADHDが実際どんな感じかも描き出していきたい。
ただ、これはあくまで当事者から見た判断基準であって、医学的に正式な診断は病院で受けてくださいということを念頭に置いてほしい。
・まず知っておくべきこと
あとで詳しく説明するが、ADHDは主に「不注意・衝動性・多動性」という3つの性質から成ると言われている。
たとえば「不注意」を例にとると、「忘れ物が多い」などがその具体的な症状だ。
しかし、ここで「あれ?」と思った人は多いだろう。
「忘れ物が多い」人なんていくらでもいそうだし、むしろ「忘れ物をして困った!」という経験がない人はきっといない。
そこでまず理解しておきたいのが、「ADHDの人はこういう症状を持っている/健常者はそれがない」と0か100かではっきり分けられるわけではないということだ。
実は、ほとんどの人が多かれ少なかれADHD的な性質を持っている。
さきほどの例で言えば、忘れ物をしない人はいない。しかし「忘れ物が多い」ことはADHDの判断基準のひとつになる。
ではADHDと健常者はなにが違うのか?それは、ADHD的性質の程度の差にある。
つまり、グラデーションなのだ。健常者と呼ばれる人は程度が小さく、ADHDと診断される人はそのような性質の程度が大きい。
これが、SNSで見かける「ADHDあるある」がどんな人にも当てはまっているように見えるからくりである。
SNSではたいてい、「忘れ物が多い」などの性質にフォーカスが置かれ、「どの程度忘れ物が多いか」はしっかりと語られない。
それでは、どれくらいの程度が「ADHD」になるのか?
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?