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「不自由」が幸せな勉強の鍵

突然だが、皆さんは自由なのと不自由なのどちらが好きだろうか?

当然、ほとんどの人が自由が好きに決まっている。私も食後のデザートは自由に決めたい。

しかし、勉強するうえでは、むしろ「不自由」の方が過程も結果も幸せになりやすいと思う。

まず少し自己紹介をさせてほしい。
私は地方の公立高校から早稲田大学に進学し、研究者になるために今でも自分で勉強している。

私の通っていた公立高校はいわゆる「自称進学校」で、朝の7:30から授業があった。
校舎も辺鄙なところにあり、周りにコンビニも何もなかったので、生徒たちはそれを揶揄してうちの高校のことをよく「監獄」だとか言った。要は自由がなかったのである。

ではさぞかし灰色の高校生活を送ったのだろう…と思われるかもしれないが、実は私は中高大で高校時代が一番楽しかったと感じている。
それに、特に受験勉強を頑張った意識は正直ないのだが、高校卒業時点で早稲田大学に通るほどの学力は身についていた。

つまり、「監獄」のような不自由な高校が、思い出としても結果としても良いものを与えてくれたのである。

これはどういうことだろう。
「不自由」と「自由」にまつわる私のストーリーにもう少しお付き合い願いたい。

大学進学後、ひとり暮らしを始めて私は「自由」を手に入れた。
自分で使える時間も、選択肢も格段に増えたのだ。

もともと研究者を志望していた私は、「よーし、大学ではもっとたくさん勉強するぞ」と意気込んで入学した。

ところが…
勉強したいはずなのに、なかなか上手くできないことに気づく。
それもそのはず、高校時代は朝になれば強制的に学校、夜からは強制的に塾、で自分で自発的に勉強していた時間はほとんどなかったからだ。

自発的に勉強するということは、過去の私、さらに恐らく皆さんが思っているより難しい。

まず、自分で自由に使える時間のうちどれを勉強時間に当てるか決めなければならない。
そして、その時間が来たら、他のたくさんの選択肢(テレビを見るとかスマホを触るとか)を振り切って勉強に着手しなければならない。
最後に、自分が決めた勉強時間が終わるまで他の選択肢に流されることなく勉強し続けなければならない。

「自由」ということは、縛るものが何もないということ。すなわち、常に自分をどこかの方向へ向かわせ続けなければ何もできないということを意味している。
これには多大なエネルギーが必要だということは想像に難くない。

したがって、時には「不自由」の方が幸せなことだってあるのだ。
学校と塾に縛られた私は、何も考えることなく長時間勉強することができた。

しかし、大学生である私と、これを読んでいる皆さんには恐らくそのように縛ってくれる存在はないだろう。

ではどうすればよいのか。

自分で、自分を縛るしかない。
今度は私が用いている「不自由」の勉強メソッドをご紹介しよう。

簡単に言うと、前日の自分に明日の自分の予定(勉強時間など)を決めてもらうのである。
これを上手くやるのにはコツが必要だ。

まず、明日の自分の予定を15分単位で決めていく。スケジュール帳などを用いるとやりやすい。

勉強時間を決めるだけでもいいが、24時間の予定を決めた方が「あとで勉強しよう…」と先延ばしになることが防げるのでそちらがおすすめだ(あとにも予定が詰まっていることを自覚できるから)。

そして翌日それを実行するが、当然時間通りにいかなかった予定も出てくるだろう。
そこで、今日この予定をこなせなかったのは何故か、自分で振り返りをする。
「なんとなくやらなかった」場合には小さなペナルティを設定しても良い。

さらにこの反省会と一緒に、また明日のスケジュールを決めていく。

基本はこれの繰り返しだ。

この勉強法で最も危惧されることは、そもそも前日の「計画立案&反省会」をやらなくなってしまうことである。

それに対処するために、あなたが好きなもの、あるいは憧れを持っていることと一緒にやることを強く勧める。

私の場合は、寝る前にハーブティーを淹れ、ドライフルーツとハーブティーを嗜みながらスケジュール帳を書いている。
この「ていねいな暮らし」を演出するアクションは自分でやっていて楽しいし、これだけで生活が整った感じがするので継続しやすい。

そこまで手間をかけたくないと言う方は、白湯を飲んだり、お香やキャンドルを焚くのもいいだろう。アロマディフューザーをつける、でもいいかもしれない。

まとめると、自分の生活のペースメーカーとなるようなリラックスできる習慣と一緒にやることが重要だ。(喫煙者の方は煙草でもいいと思う。)

そうして「計画立案&反省会」さえ続けられれば、あなたは自分に「不自由」を与え、逆説的にそれがあなたを幸せにしてくれるだろう。


高度に発展した現代社会において、我々の前の選択肢は多すぎる。
それらから常に一つを選択し続けることも、それらを無視し続けることでさえ、大きな労力を必要とするはずだ。
だからこそ、落ち着いて明日の自分のための方針を立ててあげる必要がある。

「自分で自分を不自由にする」という鍵があなたを成長させることを信じている。

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かすみ あられ
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