JAMザリサイタルin北九州 道中記
私は昔から、凄く楽しい事があった日は髪を洗わなかった。
その頭を濡らして泡で洗い流すことによって、その日の記憶や楽しさも洗い流されてしまう気がしていた。
ここしばらく、そんなことは忘れていた。
でもJAMザリサイタルに一日2公演参加して、本当に久しぶりに髪を洗いたくなかった。
その日に染み付いた楽しさをずっと纏っていたかった。
2年前。コロナが蔓延してから、私は趣味を再開する機会を失った。
子供が小学生になれば少しは活動再開できるかなと思った矢先のこの有様。
趣味というのは所謂歌うことで、結構長い事バンド活動をしていた。
絶望していた時に出会ったチェリまほ。
そこから紆余曲折を経て(割愛します)私は劇団EXILEの沼に辿り着いた。
ただ、辿り着いたとは言え、自分の底には必ずチェリまほがいる。それだけは覚えていて欲しい。
ずっとずっとドラマの2期を待ち続けているし、原作は永遠に続いてほしいと願っている。
そろそろJAMザリサイタルin北九州の話をしよう。
私は広島に住んでいる、が、実家は山口で、今回北九州公演があると知り狂喜乱舞した。
本音は広島に来てほしかったけれど、それはそれで。
車で会いに行ける距離というだけで嬉しかった。
多少ご時世が許される空気になってきた今。
声は出せずとも、彼らに会える。そう思うだけで涙が出そうだった。
映画のJAM、ドラマのJAMを見た。
魅力溢れるキャラと訳の分からないストーリーに翻弄された。深く考えるな。感じろ。そしてハマった。
北九州は3公演。全部行きたくて全部チケットを取ったけど、母親の立場と仕事の立場上金曜日は無理。
なので、泣く泣く土曜日2公演に参加することにした。
おざっつのミーグリでは「3公演行きますから!」とか言っちゃったくせに。ごめんなさい。
チェリまほから劇団を知った自分としては、「ケイタマチダに会える…!」と膝の皿が2枚割れてしまいそうな勢いだったが、そこから今一番の推しであるせらたきに、そしてよくよく考えたら劇団全員に会えるとか。
とりあえず洗車した。
勢いで買ったヒツジを乗せて、久々の小倉へ。
学生時代何度も来た。所々に元カレの匂いを感じながら何とか会場へ辿り着いた。
ヒツジはカバンからはみ出していた。
多分、私以外にもヒツジ連れはいるものだと思っていた。だから意気揚々と会場付近を歩いてみた。
私以外誰も居なさそうだった。急に死にたくなった。
「ほら、あれ…」周りの視線が痛かった。
が、「あの、そのヒツジ」と話しかけてくださる方も居た。その節は申し訳ありませんでした。ありがとうございました。
グッズを仕入れ、どうにかお会いできる方々とお会いする事が出来た。みんな優しかった。お土産を渡し、渡されつつ、楽しい時間を過ごした。途中、本物の豚に出会った。訳が分からなかった。
スペースを挟みながら、昼公演。
PPVを死ぬ程見ていたけれど、やっぱり生は凄かった。隣の席にヒツジを置いて見た。その向こうの方に「ヒツジご一緒してもいいですか?」と聞いたら少し引き気味に「あ、ハイ」と了承頂けた。
踊るせらたき。イリュージョン山金。美の化身タケル。ヒロシ。GALAXY。被るチャンチャン。もはやテツオではないノブさん。
にーじゅあらぶはとりあえず全力で踊った。なんなら立って踊りたかった。PPVの見過ぎで身体が覚えていた。
途中、何度も我にかえりつつも昼を乗り切った。
夜公演。
何故か着席した後、開演前だというのにセンチメンタルだった。
これが終わったらまた彼らには会えなくなるし、日常に戻る…でも、今は目の前の夢を楽しまなきゃ…そんなことばかり考えた。
そんな中、隣のヒツジを会場のSPの方が見て何処かに連絡していた。ドナドナはされなかった。
無事に私のJAMザリサイタルラスト公演がはじまった。
昼公演とは違う。演者から「北九州ラストだ」という気合いを感じた。全力でペンラを振り、なんならキャモンも踊った。
声が出せないのは本当に辛い。ヒロシ!と心の中で絶叫した。
結局ほぼ目線はセーラに奪われていたような気もする。一挙一動を目に焼き付けなきゃと必死だった。
さっき見たのにやっぱり面白い。楽しい。
気付けば演者の去った空の舞台が残されていた。
会場を出て、またフォロワーさん達とご挨拶し、さよならした。みんなありがとう。
抜けない余韻をどうにかしないと事故るなぁ、とひとり会場の周りを一周することにした。
会場の裏に小さな公園があったので、ベンチに座り空を見上げたら急に現実が降ってきてちょっと泣いた。
本当に夢を見たんだなと。
少しテツオの歌を口ずさんだ時、声が枯れていない事に気付いてまたちょっと泣いた。
このご時世にリサイタルをすること。演者の努力。
推し達の笑顔と歌声。
声が出せないこと。
そして、もう自分は音楽から離れてしまったこと。
何者にもなれなかった自分は、ここでひとり泣く事しか出来ないこと。
色んな感情がぐわーっと襲ってきて、しばらく立てなかった。
JAMザリサイタル。
本当に、本当に楽しかったです。
ありがとうございました。
またいつか見れたらいいな。
その時まで私も全力で応援して、全力で生きていこうと思います。
まとまりねーな!
ありがとう劇団EXILE!良い夢だった!