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明日、共通テストに立ち向かう皆さんへ

いよいよ明日の共通テストを皮切りに、大学入試(一般)が本格化します。

受験生の皆さんは今、どんな気持ちでしょうか。
緊張していますか?
不安になっていますか?
逆になんだかおもしろくなってきたりしていますか?

大昔の受験生として、いまだに思い出せるエピソードをもとに、
「諦めるなよ」
「最後までやりきれよ」

のエールを送りたいと思います。


私は高校三年になる直前に、志望校を東京大学に変更しました。
それまではお茶の水女子大学を第一志望にしており、模試の判定もA判定しか取ったことがなく、なんなら推薦で行けたりするのでは?
と、この上なく受験を舐めている高校生でした。

現行の入試制度を追っていないので当時の話をすると、東京大学は一次(旧センター試験)の900点満点をぎゅぎゅっと110点満点に圧縮し、倍率3倍を超えたところで足切りラインを打ち出して、二次試験への門戸を締めきります。
二次試験は440点を満点とし、センター+二次の合計で合否が決まるわけですが、ぶっちゃけセンターは、
「足を切られなければそれで……」
という感じで挑みました。

国語は多少、小説と古文で取り落としつつも評論・漢文で確実に満点を取ってきたし、英語は9割を切ったことが一度もなく、社会も8~9割は堅い。
生物も、みんなが苦手だという遺伝が大得意なので得点源を確保した状態だったので、問題は数学。

数ⅠAはひとまず全部の空欄を埋めることはできますが、数ⅡBになると、ベクトルや数列は、何度やっても最初の問題しかわからない、ということが多々あります。
だから、数ⅡBに関しては、
「取らなきゃならない問題を絶対に正解しなければならない」
というプレッシャーで臨んでいました。

今でも忘れやしません。数学ⅡBの大問2でした。
ここで扱われる、微分・積分には自信がありました。
模試のときもほとんど点数を落としたことがなく、記述式の模試を受けたときも、微分・積分を周りが習っていない(数学教師の父に習って、選択問題で解きました)中で、初めて180点以上を取ることができました。

ここで稼ぐぞ、と思っていた私の目には、見たことのある、いつもの問題。
なのに、最初の「a=?」の、空欄の求め方がわからない。
その後の問題の解き方は全部思い出せているのに、そこがわからない。
ここで間違えると、残り全部無駄になる。

焦りました。とりあえず他の問題を全部終わらせて、戻りました。
ここで諦めたらきっと、40点も取れるかどうかわかりません。
数ⅠAはそこそこできた実感はあったし、他の教科もいつも通りできたけれど、さすがに数ⅡBを40点では、足切りを逃れられないかもしれない。

で、どうしたか。



答えは1から順番に入れる、です。
問題の性質上、ゼロを入れると成立しないので考えなくてもよかったので、愚直にa=1からぶち込みました。
続きはすらすら解けるので、きちんと解答ができれば、それが答えだと。
確か1か2だったと思います。
サラサラと解けたので、「絶対に合ってる」と確信を持ち、見直しに進むことができました。


結果として、この問題は満点でした。
これを含めても65点にしかならなかったので、諦めていたら東大を受験することもままならなかったでしょう。


私の経験したことから言えるのは、

①どれだけ自信があったとしても、本番で抜けることがある
→数学の解法、歴史の登場人物、漢字、英単語……どれだけしっかり勉強したとしても、記憶からそのときだけスコーンと抜け落ちることがあります。そこからどう立ち回るのかによって、乗り切れるかどうかが決まってくるでしょう。

②記憶がなくても諦めない
→私の場合は数学でマークシートだったので、「この空欄に入るのは一桁の数字しかありえない→全部順番にやってみよう」を思いつき、たまたますぐに解答に行き着いたのでどうにかなりました。
高校時代の数学の先生は、場合の数・確率のときに「二桁だったら数えた方が速いこともある」と言っていたので、わからなくなったら数えていました。
英作文で英単語が抜けたり、歴史の大論述で自信のない漢字があったら、どうにか使わずにやり過ごす方法はないかを考えます。
特に自由英作文は、難しい文法や単語をいかに使わずにやり過ごすか(減点を減らす)を考えていました。


試験には魔物が住んでいるとはよく言ったもので、油断をしていなくても、うっかり記憶がどこかへ行くことがあります。
そのときに踏ん張って、自分なりに解決策を見つけられるかどうか。
ここまで一生懸命に頑張ってきたあなたなら、それができるはずです。

来春、自分の行きたいと願った大学へ希望を持って入学できることを、心から祈っています。


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葉咲透織(はざきとおる)
いただいたサポートで自分の知識や感性を磨くべく、他の方のnoteを購入したり、本を読んだりいろんな体験をしたいです。食べ物には使わないことをここに宣言します。