素直な言葉を君に
未『じゃじゃーん!』
○「どうしたの?そのメガネ」
未『買ってきたの、どう?』
○「ふーん、いいんじゃない?」
ほんとは"似合ってるよ"とか、"可愛いよ"って言葉を言ってあげたいし、あと一息のところまで来てる。だけど恥ずかしくて言えないまま。
未『ほんとに○○って素直じゃないなぁ、可愛いなら可愛いって素直に言えばいいのに笑』
○「からかってる?」
未「んーん、素直な気持ちが知りたいなぁって。5年前のあの日みたいに」
【中学3年生の夏】
○「未来虹お待たせ」
未『部活お疲れ様。どう?最後の大会へ向けての調整は』
○「微妙かな笑まぁ後悔のないようにするよ」
未『応援してる、ひなのが観に行くって言ってたから私も行こうかな。なんて思ったりして笑』
○「来てよ」
未『え?』
○「最後の大会くらいは、未来虹に観に来て欲しい」
未『急に素直になってどうしたの』
○「好きなんだ、未来虹のことが。好きだからこそ観に来て欲しい、なんて言うか、好きな人に観に来て貰ったらいつも以上に良いプレーができる気がするし」
未『...も』
○「え?」
未『わたしも、好きだよ?○○のこと。来週観に行く時は、○○の彼女として観にいきたい。』
○「俺も未来虹の演奏会は彼氏として行かせてほしいな」
未・○「......」
未『ふふっ...』
先に笑い出したのは未来虹だった。それを見た僕も「あはは」と笑った。
未『なーんだ、両想いだったなら遠回しに言わなくても良かったなぁ笑それにしても、○○が素直に好きって言う日が来るとは思わなかったよ笑 しかも私にね』
○「うるさ」
○「好きだよ、未来虹」
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未『うーわ、思い返せば懐かしいなぁ』
○「何懐かしがってんだよ」
未『だって5年も前のことだよ?若かったなぁって』
○「まぁ、そう考えるとそうかもね」
未『素直な気持ち、教えて?』
○「これからも好きだよ、絶対。何があっても未来虹といるって決めたから」
素直に僕が言うと未来虹は笑い出した
○「なんで笑ってるの」
未『だって眼鏡が似合ってるか聞いてるのにまた告白されちゃったからびっくりしちゃって笑』
○「え......あ...」
未『ちなみに私も同じ気持ち。○○以外考えられないよこれからも』
○「うるさ」
未『あの時と同じこと言ってるねぇ。あ、そっぽ向いた』
素直じゃないなぁとニヤニヤする未来虹を側に、僕は恐らく赤面していた。メガネのことなんてどうでも良くなってて、今はただ未来虹を未来永劫幸せにしないとって1人で決意していた。
○「これからは少しづつ素直になるよ。未来虹こっち来て?」
未『どうしたの?ん...』
そう言って唇を重ねた僕たちを夕日が祝福するように照らしていた。
end
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