入試ソルフェージュ対策の一助

 前回の記事↑では入試ソルフェージュについて少し批判的な観点を示しました。とはいえ現実にはまず入試を突破しないと話が始まらないという人のために、聴音・視唱のちょっとしたコツをアドバイスするというお節介を働いてみます。ただし以下に書くことはあくまで私の個人的な意見であることに注意して下さい。

☆旋律の聴音:一回めの聴取では、とにかく最初から最後まで拍から脱落せずに聴き通すことを優先しましょう。音を立てなければ手を動かして拍を取ることは認められています。余裕があれば各小節の頭の音をメモしたり、大まかな音型を図形的にメモしたりできれば良いですが、あくまで余裕があればの話です。一回めから音を書こうとするあまり途中で拍が分からなくなってしまうようなことになると、本末転倒です。最初の一回できちんと拍が追えていれば、後で細かいリズムを書き取っていくときに楽になります。

☆和声の聴音:新しい和声が鳴った瞬間というのは、響きが塊になってガシャンとぶつかってくるみたいで、音が聴き分けにくいことがあります。鳴った一瞬後に意識を向けると少し聴き分けやすくなるかもしれません。「一瞬後」というのが重要なところで、それより時間が経つと今度は倍音の響きが耳に付くようになり、混乱する場合があります。まあいずれにしても内声は聴き取りづらいので、最後は直感を信じましょう。

☆視唱:声楽的に良い発声かどうかということは問われないのですが、蚊の鳴くような声で歌ってはいけません。腹をくくるしかないんです。音を読み間違えたり音程を外したりしても、そうなったらなったでしょうがないことです。フレーズとダイナミクス(強弱)を明確に意識し、音楽の流れや勢いを主張しましょう。ですので予見時間では音の高さとリズムばかりを気にしすぎないように。最初に書かれているテンポの指示もきちんと見ること。「楽譜を読む」というのは音の高さとリズムだけを理解することではなく、その他の様々な情報も全てひっくるめて読み取ること、というのを忘れてはいけません。

いかがだったでしょうか。特段奇抜な裏ワザめいたことを書いたわけではないので、こんなの当たり前じゃん!という人もいるかと思います。その場合はもう何の心配も無いということで(^_^)/


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