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怖がる姿に励まされた
昨日『BLUE GIANT EXPLORER』の最終巻が発売。前巻の発売から1年経って、ようやく。目黒でインタビューの仕事が終わった後、乗り換えのタイミングでわざわざ帰宅ラッシュの渋谷駅の構内を突っ切って本屋まで買いに行った。1年は待てたけど、あと1日は待てなかった。
シリーズ合わせて29冊目の『BLUE GIANT EXPLORER』最終巻。ここまで、仙台、東京、ヨーロッパ、そしてアメリカを相手にずっと勝つことだけを考えて前のめりに戦ってきた大の、一番人間らしい臆病な姿が見れた。
ここまでも、ところどころでびびったり、悩んだり、迷ったりはしていたけど、前に進もうとすることだけは貫いていた。でも、雪祈のことだけは自分から動けていなかった。その事実と雪祈に対する心情が初めてここで描かれた。
大が初めて組んだピアニストの雪祈。『BLUE GIANT』の最終巻で事故に遭い、右腕に後遺症が残ってピアノをまともに弾けなくなってしまった。もともとピアノを弾くことと同じくらい作曲が好きだったこともあり、その後はボストンの音大で作曲を勉強することになった。でもこの話は作中ではさらっと触れられただけ。読んでる身としても、雪祈の再登場のタイミングがずっと気になっていた。
そして本巻でついに、雪祈がいるボストンに大が到着。てっきりすぐに大学まで会いに行くのかと思っていたけど、ここで大が立ち止まる。そしてはっきりと「会うのが怖い。ずっと怖かったから連絡すらもできずに逃げ続けていた」と。ここまで読んできてはじめて見る姿。22歳(多分)なんだから怖いことがあるのが当たり前なのに、まさかだった。でもそんな姿が見れて、なんか嬉しかった。怖がって逃げていたことがあっても、それでも大丈夫なんだと思うことができたから。
そのあと、再会、雪祈が作曲した曲を一緒に演奏(最高の極みを超えるシーン)そして最大の勝負をするために前に踏み出し始めた。今まで以上の大になって、戻ってきた。どこまで大きくなるのか、これからも読み続けよう。