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記憶を紡ぐ糸

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大学3年生の時に書いた小説。記憶喪失の女性、高宮若葉が自分の失った記憶に迫るミステリー。
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2016年9月の記事一覧

記憶を紡ぐ糸 第9話「再会」

記憶を紡ぐ糸 第9話「再会」

 電車で三駅乗って、降りた駅から歩いて五分ほどの所に、記憶を無くす前の私が通っていた立花女子大学がある。ここは街の中に立地していて、近くに大学が三校もある。

 私は正門から入っていく。女子大だけあって、周りは女の子しか歩いていない。非日常というか、とても異様な光景に思えた。建物は、どれも年季が入っているように見えるが、白を基調とした建物はどれも綺麗に映った。やはり私がここに通っていたからだろうか

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記憶を紡ぐ糸 第8話「ストーカー」

記憶を紡ぐ糸 第8話「ストーカー」

 この季節は七時半になって、ようやく暗くなる。私はスーパーで買い忘れた食料品を買って、辺りが闇に包まれる中、家へと帰る。

 今日は友一さんが残業をして帰ってくるので、しばらくは帰ってこない。まだ夕飯の支度をするのには、時間が残っている。

 今日は熱帯夜なのだろう。夏特有のじめじめした暑さは私を不快にさせ、早く家に帰りたいと思わせるには十分過ぎるくらいだ。

 でも、早く家に帰りたいと思わせるの

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