日本の食卓を支えるパン
今朝、娘の朝ごはんのトーストを用意しながら
ふと、やっぱり日本の朝パンの定番は食パンだなぁって、思ったんです
もう少しで、僕らの今のパン焼きは、幕を閉じます
そして、新年から薪窯という、僕らにとっては初めてのパン焼き
そんなチャレンジをしていくわけですが
実は、ずーっと僕の頭の中にある、薪窯でのパン焼きのイメージは
まだパンの世界に踏み込んだばかりの駆け出しの頃
確かどこかの商業施設にあった
出かけた先で偶然見かけた、パン焼きの光景で
それはそれは大きな、煉瓦でできた窯の前
職人さんが、厳しい顔つきで
でも慣れた手つき、
流れる様な作業があまりにもリズミカルで
眺めていて心地良くって
使い込まれて、真っ黒で、あちこち傷のある食パン型から
次々と、ふた山の食パンが取り出される
それは僕がそれまで知っていた、見るからに柔らかな、茶色い、四角い食パンじゃなくて
薄いけどバリッとした外皮が、金色に輝いていて
スノコになった棚に並べられた途端に、皆声を揃えて、パチパチと、歌い始める
額に汗滲ませながら、黙々とパンを出す手の軍手の使い込まれようが、凄くカッコよかった
紙袋に入れられて次々と買われていく山型食パン
まだ熱いから封できないのもあるけど、袋のサイズ、ちょっと小さめ
袋から食パンが顔を出したままで
抱えるお客さんの嬉しそうな顔と、思いっきり香りを吸い込む様子
一方で、コンコンと音を立てながら、使い終えたケースにブラシで油を塗り込む職人さんの無表情が、これまたかっこよかった
なんか、日本の食卓を支えてるなぁーって、凄く思ったんですよね
あれから30年弱
いろんなパンを焼いてきたし、いろんな職人さんに会って、いろんなパンを食べてきました
まだ、焼いていきたいパンも色々あります
まだまだパン屋として欲深いです笑
だけど、その僕のこれからの先にずーっと鎮座されているのは、兵庫のフロイン堂の竹内さんで、僕より40歳上の御歳91歳
今も、現役でパン焼きされてます
あの山型食パンのフォルムと、竹内さんの姿こそが
90歳の僕の目指すところ、なんです
NiPPNさん、僕にもあの白帽子、いつかください笑笑
#薪窯
#山型食パン
#フロイン堂
#和歌山パン屋