活用する片手略語の動詞(ソクタイプ式)
活用する片手略語動詞(カテゴリb、c)
ソクタイプ式速記では、活用する片手略語の動詞が60余りあります。
この記事ではこれについて解説します。
左のムレで打つ片手略語の動詞は、右のムレで打つ速記符号により語尾が変化します。
その活用段ごとに、「右のムレで何を打った場合に」「語尾がどう変化するか」が決められていて、はやとくんのプログラムも、その決まりに従った仮名文字データを出力します。
例えばあわ行五段活用の動詞についての決まりは以下の表のとおりです。
動詞「伺う」を例にとり、この表の読み方を上から説明していきます。
【わ】
左のムレで「伺う」を打ち、右のムレで略語「され」や「せる」、基本音節の「ない」や「れ」を打った場合に、語尾が「わ」と活用し、「うかがわ」と出力される、ということを表しています。
【い】
左のムレで「伺う」を打ち、右のムレで略語「ます」や「かた」、基本音節の「たい」を打った場合に、語尾が「い」と活用し、「うかがい」と出力される、ということを表
しています。
【っ】
左のムレで「伺う」を打ち、右のムレで略語「たり」や「ちゃう」、基本音節の「た」や「て」を打った場合に、語尾が「っ」と活用し、「うかがっ」と出力される、ということを表しています。
【って】
左のムレで「伺う」を打ち、右のムレで略語「いる」や「いらっしゃる」を打った場合に、語尾が「って」と活用し、「うかがって」と出力される、ということを表しています。
【語幹】
左のムレで「伺う」を打ち、右のムレで略語「える」や、基本音節の「おう」を打った場合に、語幹「うかが」が出力される、ということを表しています。
ソクタイプ式の速記では、「伺いました」というフレーズは、「うかがう」に「ました」を打ち加える形で速記します。
1音1音を追い掛けるというより、言葉のまとまりとして捉えて打鍵します。
片手略語動詞の活用は、ソクタイプ式速記の最も特徴的な仕組みの一つと言えると思います。