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『アメリカは内戦に向かうのか』(井坂康志訳)
井坂先生の新刊が本日発売。
新しい内戦の形から新世界を読み解く。
「アメリカで内戦なんかあるはずない」
と母は言った。
報道されていないだけだ。
米国銃乱射事件は、3年連続で年間600回を超えている。
2019年 417件
2020年 610件
2021年 692件
2022年 602件(11月24日集計)
これを知らずアメリカ人のAさんに、
「アメリカって、最近毎月銃乱射事件が起こってるみたいですね」
と言うと、
「毎月なんてもんじゃないわ。毎日起こってる」
「もう流行ってるのよ」
「州知事襲撃事件も多いの」
パンデミック以来、多くの知事がウイルス拡散対策で制限をかけた。これを発端に、知事に対する脅迫や攻撃事件がいくつも発生している。
chat GTPに件数を聞くと、
「多くの脅威が報告や公表されないため、このような事件の正確な数を決定することは困難です」
その模様は序章で詳述されている。
反LGBT、中絶問題、さらにマスク着用ですら暴動が起こった。日本人が皆マスクを着用していると、ファシズムに見えるらしい。
内戦と言っても、南北戦争の種のものではない。同時多発的に蜂起する新しい内戦の形である。頭がおらず押さえ込むことが困難。
意外だったのが、内戦の原因は民主化にあることだ。
内戦勃発にはパターンがあり、アメリカも例外ではない。中東の内戦はアメリカが介入し、急激に民主化が進んだために生じた。
-10から+10まである民主化指数。
中央あたり、-1から+1で内戦の可能性が極端に高まる。
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民主主義国家でも同じだ。選挙で選ばれたリーダーが専制政治を始めるケースが目立っている。民主化指数が中央へ集まり、内戦が起こるのだ。
アメリカの民主党員(青)と共和党員(赤)の価値観も、2004年以来急激に分断された。
![](https://assets.st-note.com/img/1679618189770-GuELtajB56.jpg?width=1200)
世界は統一的な基準で纏まらなくなった。
SNSで民主化が進み、既存の政治が専制政治の方向にスライド。相対的に民主国家の民主化指数が下がったのではないかとも感ずる。
ブロックチェーンなど「究極の民主化技術」とも言われる。2023年に爆発したAIにしても、内戦の危険を秘める可能性を忘れてはならないだろう。
新しい世界を内戦から考える良書。
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![Hayato Matsui『逆転人生』共著者](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139984636/profile_641a42246c37a701dfc0efcc4abb6d41.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)