試合分析『セットプレーの守備』
こんにちは!
フットサルを見ていて、セットプレーの時に守備組織内にパスを通されると失点しやすいと感じ、データ集計して検証してみようということで以下の条件でデータ集計した結果です。
検証する仮説
「セットプレー守備時の優先順位は組織外よりも組織内のパスラインを封鎖する事」とします。
集計の条件
1.対象試合
女子Fリーグ第1~5節の全25試合(FリーグTV)とします。ある程度試合数がないと母数が足りないですが、多すぎると集計が大変なのでシーズン途中までです。
2.対象局面
CKおよび相手陣内10m以内のキックインとします。自陣などは仮説の状況と合致しないため対象外とします。
集計結果の予想
「組織内のボールの方がシュート率・ゴール率が組織外よりも高い」と予想します。
各定義
1.組織内の定義
「身体の高さ以下のボールが守備選手間を通過すること。ボレー用のボールが頭の上を通過は組織外。チョンドンで一度外を使っても中に送ったら組織内。」とします。
2.組織外の定義
「守備陣の外をボールが通ったこと。チョンドンがシュートの場合は組織外。」とします。
3.その他
「外で回すようなすぐにシュートに繋げない、DFを動かすような定位置攻撃への移行。」とします。
セットプレーから直接DFやGKへのボールは組織内を狙ったものとカウントしました。ファールによるセットプレー未遂はノーカウントとしました。
この辺り、組織内か組織外かを主観で判断せざるを得ないため少々集計としては正確ではないかもしれません。仮説立案者とデータ集計者が同一であると主観の影響を排除できない難しさを感じました。
集計結果
各節毎の集計結果を取りました。ここでは第1節の集計結果を記します。
チーム毎
各チーム毎の集計結果を記します。
全25試合
全25試合合計の集計結果を以下に記します。
予測に対して
シュート率は組織外の方が圧倒的に高いという結果になりました。決定率は組織内の方が多少高いですが、ほぼ同じくらいでしょうか。予測ではシュート率も決定率は組織内の方が高いでしたから予測が外れてしまいました。
考察
セオリーとしてこうだ!と思って検証しましたが、それを基にかどうかは置いておいて、各チームの特色があることは確かだと思います。
例えば、攻撃回数の少ないチームはどうしても一発の組織内に賭けているようなプレーが印象的です。また相手を動かしてから組織内、最初から徹底して組織内といったチームの哲学のようなものも感じられました。
試合重ねるごとにセットプレーの戦術理解度が高まったり対戦相手の分析等も影響しているのではないかと推測します。
守り方が今回のテーマでしたが、あえて組織内に入れさせて誘い込む、というやり方もあるのかと推測します。ここまで来るとチーム関係者に聞いてみないとエラーなのか狙いなのかは分からないですね。
仮説に対して
組織内を優先に守備をする、というセオリーはあるのかもしれませんが、数字としてはそこまで顕著には現れませんでした。やはり各チームが相手を見てプレー選択し、分析しセットプレーの攻撃・守備を戦術として構築している以上は1シーズン未満のデータでは不足しているのかもしれません。
仮説からは外れてしまいますが、今回の検証により思いがけずチームの特色が見えた点が収穫です。自チームのストロングを活かして執拗に組織外からの強シュートを狙う、デザインして組織内に入れる、守備としては人に強く付く等様々な工夫や哲学のようなものが感じられました。
検証したい仮説がまた出てきたらデータ集計してみたいと思います。
それでは!