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”デキる”とは

『あの人は仕事がデキる』という風に言うことがある。
自分が具体的にどういったことを以てそう判断しているのか、と考えてみると、業績が良いこと意外に以下のような点が挙げられると思う。

先ず
『仕事の積み残しをしない』
ということ。
但し体調がすぐれないとか、終業時間が迫っているなどの時に無理をすることはしない。出来る時に、出来るだけやっておく。
こうすることで時間の余裕が出来、次の仕事に備える態勢が早く整う。
この為には
『やるべきことの優先順位が、頭の中でちゃんと整理出来ている』
『行動を起こすのが早い』
ことが必要である。
そして、仕事に取り組みながら
『これをやったら次はどうなって、何が必要になるか、或いは何が問題となって起こってくるかについて、早い段階から着目している』。
”今”に取り組みつつ、浮足立つことなく冷静に、常に一歩先の未来を見ている。

それから
『お手上げになる前に、早めにSOSを出す』。
これが出来ないと、キャパオーバーになってしまう。身体も心も余裕がなくなるし、結果的に周りに迷惑をかけることになってしまう。
”自分でやりきる”ということに固執するのは、他者からの評価を気に掛け過ぎているか、やりきれない自分に満足できないか、のどちらかだろう。
妙な執着は自分も含めて誰の為にもならない、ということを悟ってさっさと行動に移せるのは、簡単なようでなかなか常人には難しいことなのかもしれない。
これに因んでは、
『変なプライドはないが、自分であることに対する静かな矜持がある』
ことも必要だろう。
変なプライドを持っている人で仕事の出来る人には、未だ嘗てお目にかかったことがない。こういう人は自分のやり方に自信がないから、胸に空いた穴をちんけなプライドで塞いでいるに過ぎない。ただの小心者である。
”自分のやり方が正しい”と頑固に拘るのではない。”私は経験上、こうするのが良いと思っている”と静かに腹を括っている。
前者は愚者で、後者は賢者である。

考え方に関しては、
『発想が柔軟で、物事を多方面から考えることができる』。
前例がなくとも、”ひょっとしてこうしてみたら上手くいくんじゃないか”と考えることができる。多方面から考えることで、仕事がより早く、上手くいく可能性が高まる。
『他人の意見に素直に耳を傾けることができる』。
自分のプライドなんてどうでもよく、ただ仕事の遂行の為により良い情報を得ようという真摯な姿勢がそうさせる。
他者に対するこういった向き合い方が、
『誰に対しても”ありがとう””ごめんなさい”が素直に言える』
という、感じの良い姿勢を自然と生んでいる。

これらの”デキる”人々は、一様に
『感情のコントロールが出来ている』。
ガッカリするようなことが起こっても、落ち込み過ぎないでいることができる。嬉しいことが起これば素直に喜ぶが、どっぷりと浸ることはない。
そして
『仕事を心から楽しんでいる』。
楽しむ、というのは自発的な行動である。他者から押し付けられたと思いながら仕事をしている者には不満感はあれど、自発的な満足感は得られないだろう。
与えられた場所で与えられた仕事をしているのであっても、そこに不満を持つのではなく、楽しむことで自分の気分をよくする。自分が気分良く仕事をしていれば、周囲の雰囲気も良くなり、自然と職場全体に、明るく前向きに仕事に取り組む姿勢が生まれてくる。

今まで多くの”デキる人”と出会ってきた。
それらお一人お一人の顔を思い浮かべながら、『あの人はこういう時、どうなさっていただろうか』と思い出してみると、ここに挙げた基準が全て当てはまる。
そしてこれらの方々に共通するのは、
『素直で、真面目で、明るい』
ことである。
それだけではなく、他にもこんな傾向がある。
『常に他人に優しく丁寧に接し、感謝の気持ちを持っている』。
『悪口を言わない』。
『人の縁を大切にしている』。
『身体と心に無理をしないよう、気をつけている』。
『自分を常に客観的に見ている』。
つまり仕事が"デキる”人は多くの場合、人生の達人でもあると言える、と思う。
そう在りたいものである。






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在間 ミツル
山崎豊子さんが目標です。資料の購入や、取材の為の移動費に使わせて頂きます。