スペインのフレスコ画、アマチュアに台無しにされる
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-19349921
スペインのフレスコ画、アマチュアに台無しにされる
年老いた教区民がイエス・キリストを描いたフレスコ画を強烈にまた公式の許可を得ず修復しようとしたことで、スペインの文化当局は唖然としている
エリアス・ガルシア・マルティネス作のエチェ・オモ(その人を見よ)は、サラゴサ近郊の恩寵教会の聖域に100年以上にわたって配されている。
女は絵筆をとり、何年にもわたる湿気による傷みに立ち向かった。文化当局によると、彼女の意志はあくまで善意から来るものであり、うまく修復できると望んでいた、という。
寄贈
現在80代と言われるその女性は、この貴重なフレスコ画が傷んでいくさまに心を痛めており、「修復」は自分がやるしかないと考えた、と伝えられている。BBCヨーロッパ特派員のクリスチャン・フレイザーによると、エリアス・ガルシア・マルティネスの繊細な筆遣いは、でたらめにぶちまけられた塗料に完全に覆われてしまった。以前は尊厳にあふれた肖像画であったものが、まるで合わないチュニックを着た毛だらけのサルをクレヨンで描いたもののようになってしまった、とのことである。
女性は自分の守備範囲を超えてしまったことに気づいたらしく、文化担当の市議会議員ファン・マリア・オヘダに連絡を取った。専門家は、今後の方針について早急に教会で会合を開く予定である。
オヘダ議員の話、「彼女は善意からやったことでしょう。来週、彼女は修復を担当する人たちに会って、どんな材料を使ったのか説明する予定です。もし直せなかったら?その時はエチェ・オモの写真を壁に掛けるしかないでしょうね。」
このフレスコ画は非常に高価なものであるとは考えられていないが、地元民にとっては心情的に大きな意味をもつものである。特派員の取材によると、さらに悪いことには、修復を担当する地元の組織が、そもそもこのフレスコ画を修復するためにと、作者の孫から寄付を受けたところだった、とのことである。