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Invention × Commercialization / Lab to Market

IP BASE 知財人材トランスフォーメーションのススメ

2021/2/8に配信されたIP BASEのメルマガが面白かったので記録しておきます。ちなみに、IP BASEはスタートアップと知財をテーマに、情報発信されているサイトです。メンバー登録すると、メルマガが定期的に届きます。

今回配信されていたのは、木本恭介さん(ゼロワンブースター)のコラムで、Invention × Commercializationの話でした。特に掛け算というところがポイントで、片方をやれば良いという時代ではなく、発明したモノコトを商業化するところやりましょう、ということかと思います。

メルマガから抜粋したものを掲載します。

知財業界の皆さんがよくご存じの、特許庁から公開されている『知財人材スキル標準2.0』を引用させて頂きたいと思います。ここで特に私が注目しているのは、以下『戦略』の部分です。
A:IPランドスケープ →詰まるところ組織文化の変革である
B:知財ポートフォリオマネジメント →ライフサイクルとビジネスモデルとの整合が必要
C:オープン&クローズ戦略 →秀逸なビジネスモデルとの掛け合わせが重要
D:組織デザイン →組織を経営視点で見られているか

テクノロジーやそれに付随する特許権自体に経済的価値はありません。それらのポテンシャルにビジネス(モデル)を掛け合わせることにより、初めて経済的な価値としてマネタイズされる

ビジネスを推進するために知財をどう組み込むかを設計すること、必要となる組織文化の変革や醸成に取り組むこと、が大事だと改めて認識しました。

今回のメルマガをきっかけに関連情報をリサーチしたので、下記にまとめておきます。これから読み聞きしていきたいと思います。

ゼロワンブースターの取り組み

今回紹介した内容を、木本さん本人が詳しく説明している動画です。

木本さんと野崎さん(イーパテント)の対談動画です。アクセラレータとは何か、知財人材のポテンシャルについて語られています。


Lab to Market: 牧兼充准教授(WBS)の講義シラバス

科学技術からどのように新事業を創出するのかを学ぶ講義です。もし私がWBS生なら、絶対にこの講義は取りたいです。また、このシラバス自体に情報が詰まっており、これだけでご飯3杯くらいいけそうです。

様々なケース、手法を学ぶことはもちろんのこと、特に面白いのが「早稲田大学オープン・イノベーション戦略研究機構との連携のもと、大学のシーズの評価を行い、ビジネス化の検討をする」というところ。実際に持ち込まれるシーズは下記の通りです。まさしく今研究者が取り組んでいる技術を講義内でアクセラレーションするのは、とても面白い試みです。また、持ち込まれたシーズが早稲田だけじゃない、という点もオープンで良いなと思います。特に慶應というのが熱いですね。

低消費電力コンピューティングを実現するマルチコア技術(早大)
ソフトロボット材料への応用を見据えた光・熱屈曲材料の研究(早大)
コオロギによる社会課題解決とビジネス創出に向けた研究(早大)
インプラント人工透析システム(慶應)
超音波モータ(慶應)
クアンタム・コンピューティング(慶應)

アクセラレーションプログラムの概要については、下記の早稲田大学のプレスリリースに掲載されています。

「9月頭頃に対外的な発表イベント」とありますが、どこかにアーカイブがあれば見てみたいです。

このプログラムには、約40人のWBSの社会人学生が参加し、理工系の研究者と連携しながら、研究シーズの潜在市場を模索します。NASAが開発したQuickLookと呼ばれる技術評価のフレームワークや、マサチューセッツ工科大学の開発した”Disciplined Entrepreneurship”と呼ばれるビジネス化のフレームワーク、その他ビジネスアイディアの有効性を検証するための仮説検証・実験のフレームワークなどを統合したアクセラレーション・プログラムとなっています。
現在、早大内から3件、外部の大学から3件の技術シーズの持ち込みがあり、プログラムの参加者が10のグループに分かれて検証を行っております。7週間(6/15-7/27)のプログラムの間に、研究者や潜在顧客へのインタビューなどを行い、科学技術シーズの応用分野の評価を行います。7月27日(月)には外部評価員をお招きした最終発表会(外部参加不可)を行い、9月頭頃に対外的な発表イベントのオンライン開催を予定しております。


Lab to Market: edxコース

edxにもLab to Marketという名前のコースがありました。こちらは無料で受講できるので、まずはこちらを視聴し始めています。


コース概要によると、Harvard UniversityとUC SanDiegoで活動されてきた内容が詰まっているのかな、と思います。

Universities, government labs, and private companies invest billions of dollars in the research and development of breakthrough technologies that have the potential to transform industries and lives — but very few of these technologies ever leave the lab. Those that do often fail to find compelling market applications. So what determines success? How does an invention become an enduring innovation?
In this introductory course, developed in collaboration with the Laboratory for Innovation Science at Harvard and the University of California San Diego, you’ll explore how entrepreneurs match promising technology with customer needs to launch successful new businesses. Using real-world examples, you’ll apply critical thinking to commercialize technologies, and you’ll learn about the venture creation process from founders, funders, and industry experts.
Join us to learn a systematic process for technology commercialization to bring cutting-edge innovations out of the lab and into the world.