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サードプレイスとスターバックス
家でもなく、職場でもない、第三の場所。サードプレイスという言葉を初めて知ったのは、スターバックスからであった。
私の地元では、スターバックスはとても珍しかった。遠くに行った時に、あえてわざわざフラペチーノを飲みに行ったことが何度かあるくらいに。今となっては、私が高校時代に使っていた最寄りの駅にスターバックスができて、帰省のたびに学生で賑わっているところを見るようになった。時代は変わったと感じるし、自らが年齢を重ねたことを実感する。
大学時代に、一人暮らしをしていた私はとてもコーヒーにハマっていた。コーヒーの歴史の本を読んだり、さまざまな淹れ方を自宅で試したり、コーヒーのセミナーに通ったりと、当時の私を知る人は私のことをコーヒーが大好きでたまらない人だと感じていたかもしれない。実際に、取り憑かれるくらい好きだったし、中でも食べ物とのペアリングと、コーヒーのテイスティングがとりわけ好きだった気がする。ワインにも同様の文化があるが、私はコーヒーの方がずっと好きだった。
地元では、コーヒーといえばコンビニで買うか、コーヒー屋さんでコーヒーを買うくらいしか選択肢がなかったのに、都会に出てみるといろんなところでいろんなコーヒーを買うことができるのが嬉しくて、さらに実際にコーヒー屋さんで買うコーヒーは美味しかったこともあってどんどんハマっていった。めちゃくちゃ高いコーヒーも飲んだし、すっごいまずいコーヒーを自分で入れてしまって後悔したこともある。全部いい思い出だ。
思えば、コーヒーを好きになってから、スターバックスが自分の中のサードプレイスになっていた。早起きして自転車で近くのスターバックスまで行って勉強したり、ボランティアやサークルなどで受け持った仕事を捌く時も、本がただ読みたい時も、友達との何気ない雑談も。思い返せば、いつもスターバックスの近くにあったなと思えてならない。そのくらい、私にとって自分の中での重要な場所になっている。
「コーヒーなんてどれも一緒でしょ」という人もいるだろう。まあ、それもそうなんだが、でもコーヒーがさまざまな情報や経験を私にもたらしてくれたことも事実である。たった数百円でも、こんなに人と人とを繋ぐ効果があるなんて、昔は思いもしなかった。
私は今も、コーヒーと共にスターバックスにいる。お昼を食べた後のまどろみの中で、ぼんやりしながらポツポツと書いている。誰かに読んで欲しいわけでもなく、読ませるわけでもなく、ただ思ったことをつらつらと。
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