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グラスを変えただけなのに

最近、新しいグラスを買った。どこにでもありそうな、ありふれたデザインの縦長透明なグラス。1つ 980円で、私は2つ買った。

やたらとモノにこだわる癖のある私だが、実はグラスはさほどこだわって選んでいない。けれど、保温性の高いモノやビールグラスやワイングラスのような用途特化のグラス、ちょっとした時にお茶を淹れれる小さなマグカップなど、いくつか私の家にはグラスがある。

新しいそのグラスは、ビールグラスやワイングラスについで背が高い。ビールグラスやワイングラスと比べると、ずっとスリムで華奢な感じ。透明であるところはとても似ている。本当はハイボールを飲むために買ったはずなのに、私は気づいたらアイスコーヒーや麦茶をたくさんそのグラスで飲んでいる。大きめの氷と合わせると、なんともお店っぽい感じでとても好きなのである。

「アイスコーヒーを一つ」

といった時に、でてきそうな感じの風体をしているそのグラスでコーヒーを飲むと、なぜだかわからないが心が満たされるような感覚に陥る。全然普通のアイスコーヒーなのに、不思議である。お店の気分をもっと味わいたくて、今は豆を挽いて家でコールドブリューコーヒーを入れている。もう外は徐々に寒くなってきているというのに、私は懲りずに氷を入れて、お店気分をただ楽しんでいる。

グラスを変えただけなのに。

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山本隼汰 | Hayata Yamamoto
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