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水の味は何味?
最近、蛇口に取り付ける浄水器を買った。ずっと、水道水をそのまま飲む生活を送っていたのだけど、ある時ふと気づいて浄水器を買うことにしたのだ。
その気づきは、「水の味ってこんなに違うんだ」ってことだった。
でも、それと同時に、水の味を表現する語彙が私には足りないことに気付く。軽いとか、ぼやっとしたとか、さらっとしたとか、そんな表現しかできない。どれも味の表現としては適切ではないと思う。どちらかと言えば、物の質量、ニュアンス、触感に近い表現である。
無味無臭というのが水の特徴なのかもしれないが、ではなぜ私はある水を美味しいと感じ、別の水はまずいと感じるのだろう。美味しいというのは味の表現であって、触覚ではないのだ。
水道水のカルキの臭いが嫌だという場合は、嗅覚の表現である。硬水のがっしりとした味が好きという表現は、触感に近いだろう。誰も、ミネラルの旨さが〇〇なようで素晴らしいみたいな高尚な表現はしない。
じゃあ、水の味ってなんだろう。美味しいって感じたその感覚って、どう表現したらいいんだろう。
そう思いながら、私はグッと美味しくなった水道水をぐびっと飲み干した。
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この作品は、共創プロジェクト『不協和音』の作品です。このプロジェクトでは、エッセイを通してお互いの価値観や発見を共有し、認め合う活動をしています。プロジェクトについて興味を持ってくださった方は、以下の記事も合わせてご覧ください
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