頭が散らかった時は目を閉じる

私はよく頭が散らかる。そんな時には、目を閉じてしばらく待つことにしている。もっぱらアイデアを沈殿させるために。

アイデアが生まれる時は突然だ。周りを観察していた時に、ふとした瞬間にいろんなアイデアが生まれてしまう時があって、考えが急激に発散したりする。「あれっ?」みたいな気づきがきっかけになって、いろんなものが繋がって見える感じ。収束させようとするんだけど、1つ押さえたらまた1つ別のところからアイデアが生まれるみたいなことが時々ある。お湯が沸騰したらなかなか冷めない、あれに似ている。そして、だいたいこれは散歩中に起こる。

勘違いしないで欲しいが、私はネガティブな方向に思考が振れることはあんまりない。落ち込むことはあっても、根はポジティブな性格である。プラスの方向に突然振り切れる時があるというだけ。

発想力、想像力、ひらめきといえば聞こえはいいが、本人としては正直疲れるのだ。アイデアが生まれている時は、ドーパミンがすごい出るから楽しく感じるものの、その後にどっと疲れる。一人でブレインストーミングをしている気分だ。疲れている私の気分は、テーブルの上に散らかったポストイットを片付ける時と同じ。ことアイデアを考えることに関して、私はほぼ毎日発散と収束を繰り返していると行ってもいい。

個人的に、知的好奇心や発見の喜びというのは劇薬だと思っている。うまく使わないと怖い。元々、先読み・裏を読むのが好きな性格もあるが、ある些細な瞬間の出来事が、自分のずっと考えていた仮説に繋がった時の快楽はものすごい。推理小説の犯人が当たった時やアート作品の意図が汲み取れた時、相手の気持ちが読めたり、理解できた時もこの感覚を得る。そんじょそこらの面白い物とは全然比べ物にならないくらいのインパクトがある。

人間は普段、情報の大多数を視覚から得ているという。だから、考えが発散してしまった時は、黙って目を閉じてしばらく待つ。そうすると、発散がしばらくすると収まり、アイデアが沈殿してくる。そしたら、私がすることはたった1つ。アイデアの落穂拾いをすることだけだ。

1つ1つ拾っては、確認し問題なければカゴに入れるを繰り返す。ああ、そんなことを行っているうちに、また散らかってしまった。ちゃんと拾って行かないと...


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