西洋美術雑感 41:クロード・モネ「しだれ柳」
モネの絵で自分がいちばん好きなのは、中期から晩年にかけての、あのひたすら光の効果のみを追求して、他の雑音がほとんど入らない一連の画布である。積みわら、ルーアン大聖堂、睡蓮、日本の橋、といった平凡な、意味のほとんど入る余地のない主題を、ひたすら光の効果をさまざまに変えながら描く、あの純粋に視覚的な追求はすばらしく、頭を空っぽにして見入ってしまう。あるいは、以上のモネはいささか行き過ぎなところもあり、まだ人間とかが現れる風景の光を描いた「散歩、日傘をさす女」のような絵の方が安心し