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75歳の娘さん。

5年くらい前のばあちゃんの誕生日のこと。
多分75歳くらいになるタイミングだったと思う。(正直、家族や親戚の歳を覚えていない。親でもギリギリわからない。)

誕生日プレゼントを親戚みんなが渡していた。自分が何を渡したか覚えていないけど、はっきり2人分だけ覚えている。母とひいじいちゃんがあげたもの。

2人とも革のカバンをあげていた。ばあちゃんのことだから欲しがったんだと思う。

母は茶色の普段使いしやすようなバッグ。これぞバッグ。バッグオブバッグなバッグ。
対するひいじいちゃんはどこで買ってきたの?というような、真っ赤なバッグ。赤いランドセルくらい赤かった。決してひいじいちゃんが志茂田景樹のような感性を持ち合わせているわけではない。

同じ人への誕生日プレゼントとは思えなかった。

でも、よく考えてみれば母にとっては年上の女性、ひいじいちゃんにとっては年下の女性へのプレゼントなのだ。

立場が変われば見え方が違う。

ひいじいちゃんにとって、ばあちゃんは永遠に愛娘なんだ。当たり前だけど改めて感じた。

ばあちゃんは僕の知る範囲で、親戚の中で1番アグレッシブだ。カラオケに行けば1番声がでかいし、いつも陽気で出かける時もお洒落している。
元気な姿でばあちゃんも娘として親孝行してる。

昔僕が古着屋で買ったコートを「それちょうだい」とねだられて、プレゼントしたことがある。最近、あのコートまだ持ってる?と聞いたら「捨てた」と言われた。

僕のばあちゃんはもうすぐ80歳のおてんば娘なのだ。

地元で起業し、フォトグラファーとディレクターとして活動しています。 仕事のこと、撮影のこと、ジャンル問わず備忘録として書き残しています。