食道楽博多編「ゴマサバとだいだいで作ったポン酢」
博多にはかれこれ2週間いる。
間にはだいたいウエストのうどんを食べている。博多のうどんは美味しい。
味は濃いめ、腰のあるうどんが好きという嗜好を持っているが、博多のうどんは実にうまい。
味は「薄い」と表現されるがそんなことはない。
「醤油の味は薄いが、腰のしっかり入った出汁の味がする」
強く炊き出した濁りのある出汁ではない。口に入れた時、後味。しっかり舌の上に出汁のいい香りが残る。添加された一瞬の表面的な味ではない。
うどんは確かに柔らかめだ。しかし、出汁を吸っている。マジで美味いなんていうと急に安っぽくなってしまうので言いたくないが、マジで美味い。
小麦味
程よい歯触り
出汁の味
さかなが効いた
琥珀の香り
実は「臭みや癖のある味」も面白いと思う嗜好の持ち主なので、ラム肉や青魚、イノシシやシカ肉なんてのも非常に好きだ。
「福岡のゴマサバ」
サバなんてのは塩焼きも味噌煮も酢サバもサバの押し寿司も大好物だ。
そんな人間が、ゴマサバと聞いて黙っていられるわけがない。だが、居酒屋にしかない。定食屋さんがどうにも見当たらない。
私は居酒屋があまり好きではない。タバコの臭いは料理の全てを台無しにすると考えており、タバコを吸いながらその煙を料理にさらし、酒に酔い、何を食べているのかもわからない人間が集まるところだと勝手に思ってる。
(もちろんそうではない人もいるし、美味しいお料理を出してくれるお店もある事は知っているが、その横でフーっと煙でも吐かれたらそのタバコを鼻に入れたくなってしまう様な人ですごめんなさい。)
博多で食べるサバは、美味しさが違う。魚の脂が水溶性を持ち合わせているのか非常に綺麗な味だ。岩盤浴に入り、一通り脂汗を出した後に出てくる水の様な汗の様にスッキリしていた。
私がこの土地に住んだら、高い確率でサバを買って刺身にするだろう。カルパッチョにしてみたり、醤油やごま油で漬け込んでみたりもしたい。
そして、ポン酢。立ち寄ったお店のポン酢が実に美味しかった。だいだいで作ったそのポン酢は、酸味でむせ返る様な事はなく、心地の良い代々の香りが漂った。少し醤油を垂らし、醤油ポン酢にするのもよかった。冷やし中華に使ったら非常に美味しくなるだろう。火を入れるのはあまり似合わない。
福岡は面白い。何があるのかよくわからないが、兎角お店に入ればハズレがほぼない。ラーメンや中華はまた別の話だ。