BtoBマーケティングで、超重要なのに多くの人が見過ごしてしまうこと
こんにちは。ベルフェイスの林です。
この記事はベルフェイスの有志メンバーで繋ぐ #新年ベルリレー という企画の25日目のコンテンツとして執筆しています。他の人の記事は以下リンクから見てみてください。
忙しさにかまけてしばらく発信を怠ってしまったのですが、この機会に今年は色々とまた発信していけたらと思っています。
ちなみに私は今ベルフェイスで、エンタープライズ領域のマーケティングと、既存顧客向けのカスタマーマーケティングの2部門を管掌しています。
「エンタープライズ×BtoBマーケティング」「既存顧客×BtoBマーケティング」といった形で、BtoBマーケの中でも少し特殊なセグメントを扱っているので、日々新しい考え方や手法をアップデートしていかなければいけないのですが、とはいえやはり根底にあるマーケティングのエッセンスは何がかけあわさっていようと変わらないものだと感じています。
今回は、私自身がベルフェイスで色んなマーケティングの役割をしてきた中で、そして様々な企業でBtoBマーケをやっていらっしゃる方とお会いしてきた中で、改めて超重要だと感じていること、なおかつ大半の人が(私含めて)できていないんじゃないかなと思うことについて書こうと思いました。
結論:超重要なことって何?
まず最初に結論を書きます。超重要なのに大半の方ができていないのでは?と感じていること、それは
自社製品(サービス)の提供価値を徹底的に理解すること
です。
「え?その程度のこと?仰々しいタイトルに釣られてみて損したわ」という方に対しては、以降当たり前のことしか書かれていませんのでこのまま離脱していただいて構いません笑。しかし、
・ 経営者や営業の言葉ではなく、あなた自身の言葉でサービスの魅力を語り尽くすことができますか?
・ 最近どんな機能/サービスがアップデートされたのか、またその開発背景や意図を説明することができますか?
・普段から製品に触れていて、ふと誰かから「サービスのデモを見せて」と言われた時に手間取ることなく見せることができますか?
この3つの質問全てにYesと答えられるBtoBマーケターはそんなに多くないのでは、と思っています。(根拠データは何もありません。僕の主観に過ぎないのでもし違ったらすみません笑)
なぜ製品理解がないがしろにされるのか
そもそも製品理解がなぜ重要なのか、についてはあえて触れる必要はないくらいに自明のことだと思っているのですが、それではなぜ、製品理解がマーケティング部署において浸透しづらいのでしょうか。改めて考えてみた時に、私は3つの要因があるかなと思いました。
1. 自分自身がターゲットではない
もちろん個人向けの製品についても特定の年齢・性別の方をターゲティングしていたり、高額かつ簡単に自分では検討できないものなどがあるとは思いますが、ある程度その人の立場を想像しながらテストで使ってみたり、また周囲の親しい人にターゲットがいてその人の立場を想像しながら製品に触れてみたり、ということがある程度できるかと思います。
一方BtoBの商材においては、特定の業界もしくは特定の職種における経営上・業務上のペインを解決しにいくものになっているため、自分自身がその業界・その職種に当てはまらなければ、ユーザーとしてその製品に触れることが難しい状況にある場合が多いでしょう。
2. howのPDCAやデータに意識が向きがち
マーケティングをしている方って、「データが好き」「分析が好き」といったところから入っている人が多いのでは、と思っています(私もそうです)。
そうすると具体的な施策ベースで数値を見て、改善策を考え、次の施策を試すといったサイクルは回るのですが、前の施策をベースとしてでしか次の施策を考えなくなるので、本来あるべきwho/whatと向き合って施策を考えることが後回しになってしまいがちです。
3. ビジネスモデルと役割的にあまり連携しない
SaaSのビジネスモデルにおいては、受注単価と継続期間でLTVが決まるため、The MODEL型の組織で言うところの営業とCSが投資対効果の「効果」部分の指標を担います。そのため、製品は基本的にLTVへの影響が大きい機能を優先してアップデートされていくため、その前段のリード獲得をミッションに持つようなマーケ組織に対して情報連携が少ないケースもあるのではないでしょうか。
あまりプロダクトアップデートにアンテナを張っておらず、リリース直前に「これマーケでも何か告知しておいて」くらいの感じで指示を受けたので、とりあえず急造でサイトやメルマガで告知したものの全く効果が出ない、という悪循環にはまっている方も多いのでは、と思います。
とまあ色々と理由を書きましたが、要は
・自分がターゲットではないので理解するにも負荷がかかる
・製品理解をしなくてもデータを見てPDCAを回すことでそれなりにワークする
・意図しなくても自然に理解できる組織構造になっていない
ということかなと思います。
どうやって製品理解を深めるのか
長々とできない理由を述べただけでは意味がないので、それをどうやって対策するのかについても触れておきたいと思います。
前提私自身も「できていない」という危機意識を持ったのが最近のことなので、改善し始め、まだ試行錯誤フェーズではあります。その中でやってみてよかったなと思っていることを書きます。
1. プロダクト部署からのアップデート情報を聞く
これはベルフェイスが会社として取り組んでいることですが、プロダクトチームからCSに機能アップデートの情報やその背景が説明されるMTGが隔週で開催されています。
私のチームはマーケ組織でありながらも、1人がそのMTGに参加して情報を持ち帰り、自チームの定例で情報共有する、といったことを行っています。
そこそこ大きい組織になったのでそのような形で情報伝達が整備されていますが、まだ少数精鋭の組織であれば、マーケとPdMが直接情報共有の場を持ち、それらの情報を拾いに行くといったことが必要なのかなと思います。
2. 自分たちの業務に自社製品を組み込む
ベルフェイスは3人以上でももちろん使えるのですが、1番得意な領域は1対1の営業シーンです。電話を使うシステムで、まずお客様に電話をかけて電話越しに「お手元のPCでベルフェイスと検索してください」と案内して接続を促すのですが、僕のチームでは毎回1on1でこの流れを踏んで電話+ベルフェイスを使っています。
オンライン営業システム、という割と業務内でも使いやすい製品のマーケティングをしているから言えるだけの話なのかもしれませんが、自らが直接のターゲットではないシーンでも、なんとか自分たちの業務で自社製品を使える機会がないかを考え、使うことを習慣化できないか検討することは非常に重要なことに感じています。
3. チームで自社製品を触る時間を設ける
構造的にやらないものをやるようにするためには、モチベーションが向くようにするか強制力を働かせるしか基本的にはありません。強制力という意味では、結局MTGの時間を設けて「ここで製品を触る」と決めるのが効果的なのかもしれません。
僕のチームでも、自分たちが製品に触れる時間が少ないことを危惧したメンバーからの提案で週1回全員で自社製品を触ってみて、新しく出た機能を確認しています。実際にどんなUI/UXなのかを体験し、これがどんな人にどのような価値を持つものなのかを議論しています。
コンセプトや古くからの価値だけを理解していた状態だったのが、少しずつ自社製品のリアルがわかるようになってきたんじゃないかな、、と感じていています。
最後に
ということで、製品理解ってマーケティング上めちゃくちゃ重要なのに、できていない人が多いんじゃないか(自分含めて)という話でした。
「うちではこうやって製品理解を促進している」みたいな話とかあったらぜひTwitterなんかで教えていただきたいです。
最近更新サボリ気味ですが、Twitterアカウントはこちらです。
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