湍廼舎

皇學館大学文学部神道学科卒業。神道学・神社史・皇室。

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皇學館大学文学部神道学科卒業。神道学・神社史・皇室。

最近の記事

近世今川氏の菩提寺と供養

 永禄3年(1560)、駿河太守で海道一の弓取といわれた11代今川義元が桶狭間の戦いで織田信長に討たれ、戦国大名としての今川氏の領国支配が動揺し、松平元康(徳川家康)をはじめとする三河衆の反乱、「三州錯乱」、遠江国衆による反乱「遠州忩劇」、そして永禄11年(1568)の武田信玄による駿河侵攻と徳川家康による遠州侵攻により義元嫡男・12代今川氏真は領土を喪失し、大名としての地位を失った。   その後、氏真は各地を流転したが、駿河で培われた高い文化的教養で文化人として生き残り、慶

    • 三井と神社(企業と神社その1)

      三井家と伊勢国江戸時代の豪商、近代の財閥と知られる三井氏の元は近江六角氏に仕えた武士で、三井越後守高安の時代に主家六角氏が織田信長によって滅ぼされると伊勢国に移り、高安は伊勢商人や伊勢御師などと血縁や地縁を結び、高安の長男、三井高俊の代に伊勢松阪に住居し、酒や醤油の販売や質屋を営み、父高安の名乗りである越後守から「越後殿の酒屋」などと呼ばれていたが、時の松坂城主吉田重治より改名を命じられ「越後屋」を名乗った。 高俊は商売への関心が薄く、家業は妻である殊法が切り盛りした。殊法は

      • 「御即位5年・御成婚30年記念 特別展 新しい時代とともにー天皇皇后両陛下の歩み」@日本橋高島屋

        御即位5年・御成婚30年記念 特別展 新しい時代とともに ー天皇皇后両陛下の歩み日本橋高島屋で令和5年5月17日から6月62日まで開催中の「御即位5年・御成婚30年記念 特別展 新しい時代とともに ー天皇皇后両陛下の歩み」を拝観した。 まず、日本橋高島屋本館正面入り口を入ると平成5年(1993)に天皇皇后両陛下が御成婚パレードに御乗車遊ばされたオープンカー御料車が展示されている。 オープン御料車は平成2年(1990)の御大礼で「即位礼正殿の儀」の後の「祝賀御列の儀」にて上

        • 湍廼舎へようこそ

          私は伊勢の皇學館大学で神道学を修めていました。そのときの知見を生かして神社神道に関すること、自分に関わりのある地域ことなどについて書いていこうと思います。 このnoteを書くにあたっての方針 皇學館では上記の令旨を現在でも建学の精神にしています。私も倉田山で学んだ者として、文章を書くにあたり、令旨を奉戴し、館友としての節度をもって記事を書いていこうと思います。 湍廼舎について 湍廼舎(はやせのや)は筆者の号です。 五十鈴川や宮川、多摩川の清流が号の由来です。 東京の多

        近世今川氏の菩提寺と供養