傘の歴史を紐解く🌈
雨のひどい時や日差しが強い日に活躍する『傘』。
時代とともにデザインや形状(構造)も変化し、バリエーションも年々豊かになっています。
今では、お洒落を楽しむためのアイテムとして、ファッションブランドからもオリジナルの傘が販売されています。
そんな傘の歴史は古く、起源は、江戸の遥か昔、今から約4000年前。
当時のエジプトやペルシャの彫刻画や壁画には、アテネの貴婦人たちが日傘を従者に持たせて歩いている様子が描かれており、傘は、暑い日差しを遮る目的のほか、「権力を象徴する道具」として用いられていたことが分かっています。
古代ギリシャやローマの時代になると、書物に雨傘の記述が見られるようになり、傘が王侯貴族のものから一般に普及した様子が確認されています。
「傘は貴婦人のもの」
「傘を差すのは使用人の役目」
やはり、傘は、一定の権威の象徴であり、貴族のみが手に出来る贅沢品だったようです。
日本で『傘』と言えば、雨傘を連想する人が多いと思いますが、歴史を紐解いていくと、傘の歴史は、日傘から始まっています。
『和傘』と呼ばれる日本の傘は、諸説ありますが、4世紀頃に中国から伝わったもの。
日傘は、日本でも権力の象徴でした。
確認できている最古の記録は、1804年に長崎に入港した唐船(中国の船)の舶載品目の中の「黄どんす傘一本」という記述。
当時の和傘は、開閉式ではありませんでした。
棒を使って開閉できる和傘が誕生したのは、鎌倉時代に入ってから。
その頃から防水加工もされるようになり、雨傘としての役割も担うようになります。
現在、私たちが使っている傘は、『洋傘』と呼ばれるヨーロッパ発祥の傘。
普及のきっかけとなったのは、1853年のペリー浦賀来航。
文明開化により、6年後の1859年に洋傘の本格的な輸入が始まりますが、とても高価であったため、江戸庶民は手が出せませんでした。
使用していたのは、武家・医師・洋学者といった一部の人たち。
そこから明治時代に入ると、西洋文化の広がりとともに、一般にも普及し始めました。1868年に刊行された『武江年表』という書物には、庶民にも洋傘が普及し始めたことが記されています。
こうして文明開化の波とともに洋傘は一般的に使われるようになり、1880年代には国産の洋傘が誕生することになります。
ちなみに、日本の傘の消費量は、年間1億2000~1億3000万本。
一説では、世界で最も多い数と言われています。
しかし、そのうちの6割にあたる約8,000万本がビニール傘などのいわゆる使い捨て傘。
これが今、SDGsなどの観点から問題になっています。
最近ではレジ袋の有料化など、脱プラスチックへの意識が高まりつつはありますが、ビニール傘に対する取り組みはまだ十分とは言えません。
・お気に入りの傘を買う
・折りたたみ傘を携帯する
・サステナブルな傘を使う
・リペアしながら長く使う
まずは、環境のために、私たちが出来ることから始めましょう😌
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
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