人との関係が深い!?貝でも魚でもないホヤに隠された秘密とは?🌈
私たち人間は、魚・両生類・虫類・鳥類などと同じ『脊椎動物』。
生物学上、『脊索動物門』と呼ばれる分類に含まれている動物です。
脊索動物門は、18世紀に発見された分類。
発見された当時、軟体動物の一種と考えられていた、ある海の生き物が、この分類に含まれ、話題になりました。
その生き物が、海のパイナップルと呼ばれる『ホヤ』。
あまり聞き馴染みのない方も多いと思いますが、刺身や炊き込みご飯の具材として、よく使われています。
獲れたばかりのものは、ワタと呼ばれる肝臓や腸なども食べられますが、関東や関西の市場に出荷されたものは、鮮度が落ちてしまっているため、食べられません。
独特のキツイ臭いもあるため、嫌う人も多い食材です。
多くのホヤは、プランクトンや生物の死骸や排出物をろ過したものを食べて暮らしています。
海水であれば、浅海から深海まで、様々な場所を生息域にすることができる生き物です。
そんなホヤは、生物学的に、特殊な発育をします。
大人になると、岩などに張り付いて成長しますが、赤ちゃんの頃(幼生期)は、タマジャクシの形をしていて、魚のように泳ぐことができます。
ホヤの赤ちゃんは、体長1~2mm。筋肉の細胞は、数えられるほどしかありません。
でも、生まれるとすぐ、自分で泳げるようになります。
なぜ、筋肉の細胞が少ないのに、すぐ泳ぐことができるのでしょうか?
ホヤは、オタマジャクシと同じ原理で泳いでいるように見えますが、筋肉を動かす仕組みは、オタマジャクシとは異なります。
ホヤの赤ちゃんは、一つ一つの筋肉細胞でカルシウムの量を調整し、強弱を付けて、筋肉を動かしています。
そのため、少ない細胞でも泳ぐことができるんです。
ホヤは、広い動物界の中で、人間ととても近い間柄にある生き物。
ホヤの発育を調べると、筋肉を動かす仕組みが、魚の祖先から人間に進化する過程で、少しずつ段階的に変化していることが分かります。
脊椎動物の「筋肉を動かす仕組み」と「進化の歴史」を理解する上で、とても重要な生き物なんです。
ちなみに、幼生期のホヤは、食べ物を獲らずに、ひたすら泳いでいます。
その理由は、大人になった時に、暮らしやすい環境を見つけやすくするため。
彼らの幼生期は、その為だけにあると言っても過言ではありません。
今後、ホヤの研究が進み、魚類だった頃の人間の進化の過程が、学校の教科書に載る日は近いかもしれませんね😌
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