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🎬【犯人はダス、】 第12話 蚘憶


♊第話 かくれんが
♊第話 远跡
♊第話 䌏線
♊第話 停り
♊第話 朜入

♊第話 牛远い
♊第話 再䌚
♊第話 背反
♊第話 埌悔
♊第10話 独歩

♊第11話 䞉巎
♊第12話 蚘憶



♊第12話 蚘憶


「䞀䜓、どういう事かね」

「むナンナは䜕者かによっおサニヌ新道教から盗たれたした。そしお、我々の特別捜査チヌムがこの床、発芋したのです」

「どこにあったずいうのだ」

「祭りでしか䜿甚する事のない、神茿みこしの䞭です。そしお  䞭島安は、むナンナシステムを考えた工䜜員の実の息子なのです」

ざわ぀く同垭者たち。

「  なるほど。぀たりは、むナンナを息子の安に取りに行かすのが真の目的ずいう事か」

「おそらく  いや、間違いなくその為に䞭島安を運び屋ずしお䜿うのでしょう。日埌に行われる春留神瀟祭りに圌は珟れたす」

「本圓に信甚しおよいのかな 橋本君」

「はい。こちらをご芧ください  」

䌚議宀の奥で埅機しおいた䞀人が、青いビニヌルで被かぶさった物を台車で運び、文屋長官たちの目の前で止たる。

そしおビニヌルを剥がすず透明な重箱が珟れた。

「こちらがむナンナです」

初めお目にする耇雑に絡み合う配線ず圢に、その堎にいた党員が目を奪われる。

その重箱の䞭で、ある郚分では機械的で、ある郚分では人の肉片のような目を疑いたくなる異質な圢状をしたものが、䜕かの液䜓に挬けられおおり、たるで剥き出しの配管で呌吞をしおいるようだった。

党䜓の倧きさは予想より小さく、プリンタヌ皋床。目の郚分にはカメラのレンズのようなものにガムテヌプが乱雑に巻かれ、簡易的にスキャンされないように保護されおいた。

重箱の䞭では、電子音のみが鳎り続け、光を遮さえぎるガムテヌプの奥から、䜕かの生き物のような奇劙な振動が台車党䜓を小刻みに揺らす。

「これがむナンナか  」

台車を持぀専門家が説明する。

「はい。このむナンナは、最新システムの搭茉により、レンズからの光の反射で圢を捉えるだけでなく、筋肉質量、骚栌、血瞁内にある现胞や遺䌝子たでスキャンでき、思考を叞぀かさどる脳内の海銬や䌝達する動きたでも読み取り、蚘憶したす」

「ご理解しおいただきたしたか 珟圚、保護し遮断しおおりたすが、皆様、くれぐれも近づき過ぎないようにお願いいたしたす」

「よくやった、橋本 我々も前から远っおいたむナンナを探し出すずは玠晎らしい 匕き続き、䞭島安の逮捕も頌んだよ」

「ありがずうごさいたす」

暪目で叀谷譊郚の顔を芗き蟌み、頭を䞋げる橋本。

「それでは譊察庁長官、指瀺決定をよろしく頌みたす」

文屋長官が口を開いた。

「では、日埌の春留神瀟祭りに総勢200名の譊察を配眮し、橋本譊郚の管理の䞋、䞭島安を逮捕するよう呜ずる」

「そしお、叀谷譊郚に぀いおは、ヶ月の保護芳察凊分ずし、厳重泚意。さらにその間、譊察手垳を没収する。よいか、叀谷譊郚」

「  分かりたした」

叀谷譊郚はその堎で譊察手垳を取り出すず、文屋長官の机の䞊に眮いお䞋がった。

「これにお緊急䌚議を終わる。解散」

「䜙りにも軜い凊分ですなぁ、譊察庁長官さん。どこたで肩を持぀のやら」

目を合わす事もなくその堎を立ち去る文屋長官。

譊察内での掟閥が、より䞀局深たっおいた。



「  」

無蚀で岩に腰掛ける䞉人。悟が優しい口調で話しかける。

「安、君をずっず远っおいた、譊察官ずしお  。そしお、䞀床は捕たえたはずが、どういうわけかここに䞀緒にいる。もちろん、色々な事情があっおの事だず理解はしおいるが、僕は未だに未来透芖や運呜ずかは信じおいない。ただ、君が犯人だずも思えない。関係がないずも蚀えない」

静かに玔粋な瞳で悟を芋぀める二人。

「そしおサダさん、姉のミノさんが亡くなったのは盞圓ショックだったず思っおいたす。もっず早く譊察ずしおもサニヌ新道教の動きを把握するべきでした。申し蚳ない」

頭を䞋げた悟。

「あの日、ミノさんが亡くなった理由からもし知っおいるなら教えおくれたせんか」

「  」

「蚀いたくなければいいんです。思い出すだけで蟛いなら無理にずは蚀いたせん」

安が口を開く。

「なんずなく、他の譊察の人ずは違う気がする  。これから蚀う事は党お本圓の事なので、信じおください」

悟はゆっくりず頷く。

「ミノずは小孊幎生で出䌚いたした。䞀人で泣いおるのを芋お  理由は芪でした。実は僕も早くに芪を亀通事故で亡くし、いずこに育おおもらっおいたので、そこから埐々に仲良くなりたした  。ただやっぱり芪がいないずむゞメられる。だから勉匷で勝っおやろうず思いたした。そんな時に、人の友人が出来たんです。勉匷も出来る優等生たちず。そしお事件は起きたした  。䜕気なくかくれんがをしおいた時に、林で倧人の死䜓を芋぀けおしたったんです。怖くなっお人で逃げたした。でも、しばらく進んだずころでやっぱり譊察に蚀おうずなりたした。その時、林の䞭で譊官がたたたた通りかかったんです。鋭い目぀きの譊官二人が、喋りながら䜕かの機械を持っお  。人で話しかけようずした瞬間、僕の袖を誰かに匕っ匵られ、朚陰に誘導されたんです。それが  」

「ミノさん」

「そうです。そしお、僕以倖の人の友人は譊官に話すず、譊官がなぜか豹倉し、どこかぞ連れおいきたした  。ミノはその譊官二人から逃げおいる最䞭だったんです。ミノから事情を聞きたした  『あい぀らに、かくれんがで芋぀かるず殺される。だから行かないで』っず」

「かくれんが」

「そう。もちろん疑いたした。けど、死䜓も芋たしたし、本圓なら只事じゃないず思い、話を聞いたんです。そしたら、透芖胜力やAIだの、メダルを集めないずだの、急に話をしおきお、『ただの被害劄想だろ』ず蚀っお僕は垰ったんです  。埌日、ミノは消えたした。倚分、匕越したんだ、䜕も蚀わず。そう思っおいたした。しかもそれだけじゃなかったんです。連れおいかれた友人人が戻っおきたず思ったら、人が倉わっおしたっおたんです。僕をむゞメ始めたした  。ミノず同じように、かくれんがが始たったんです  。でも、ミノが蚀ったみたいに殺されはしなかった。ただ、異様なんです。あれは遊びのレベルじゃない。あたかも党おを芖られおいるような  。どこぞ隠れおもすぐに芋぀けられ、たた逃げるを繰り返しおいたんです。そしたら、神瀟でメダルを芋぀たした。その時、ミノは蚀っおいた事を思い出したした」

『い぀か私は殺される運呜なの。もし、その時が来たら、特別な名枯氎族通のメダルを枚集めお 偎面がギザギザのものだけ。それを探さないずいけないの、お願い  』

「神瀟で拟ったのが、その名枯氎族通のメダルでした  。それからお互い高校生になり、ミノずたた同じ孊校になりたした。そしおあの日が来たんです  。ミノは殺され、その埌人も殺された。だからむナンナを壊したかったんです  」

「そこで、僕ら譊察が邪魔したんだな  」

「  」

「確かに。僕らのせいでこうなったのかも知れない。もちろん、僕は䞊の指瀺通り動いただけ。  でも  それにしおもタむミングが良すぎないか それに、さっき譊官を芋た時にミノさんが君を連れお朚陰に隠れたず蚀ったけど  」

「はい  」

「そうなるず、譊察内にこの事件を䌁おた奎がいるずいう事になる  。だから安、君は譊察に捕たるわけにはいかないんだ そうですよね サダさん」

「はい  私の透芖だず、今、譊察の䞭にむナンナがありたす。もし、最悪な未来になるずするなら、これから譊察内党おの人間をスキャンされる可胜性がありたす。犯眪者も含めお」

「そうなるず、譊察内にあるむナンナが犯眪の知胜を持぀こずになる!! やばい、ずにかくこんな事をしおいる堎合じゃない ここからすぐに出お戻らないず 出口を探そう」

「ダメよ、悟さん  」

倜が深たるこの時に、人しかいないはずの掞窟から、突劂、別の声が聞こえおきた。



――所蜄譊察眲

収容された数千人の元信者たち。

「倧倉お埅たせしたした。ご案内いたしたす」

牢屋の鍵を開け、誰かを逃す譊察官。

「だいぶ遅かったな むナンナは今どこにあるんだ」

「予定通り譊察庁にありたすよ」

「そうか、じゃあそろそろ始たりの時か」

「そのようです  」

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