アフリカの砂漠化を家庭ごみで救う日本人🌈
西アフリカのニジェール共和国にある『サヘル地域』。
近年、砂漠化が深刻な社会問題となっている半乾燥地域です。
このサヘル地域の緑化を進めるプロジェクトに、一人の日本人が参加しています。
京都大学教授の大山修一さんです。
大山さんによると、ニジェールが抱える飢餓や砂漠化、都市にあふれかえるゴミ、頻発する紛争やテロは、根っこの部分で繋がっているといいます。
アフリカの農村研究を専門とする大山さんはこれまで、彼らが行っている『自給社会』に注目してきました。
自給社会とは、
「自然の恵みを利用し、ゆったりとした時間の流れの中で家族とともに暮らす社会」
つまり、ニジェールの人々は豊かな生活を送ることができているんです。
しかし、ここ30年ほどで急速に世界の経済成長が進み、『貧困社会』と言われるようになってしまいました。
その要因は、主に二つ。
一つは、農村社会が現金経済の中に取り込まれてしまったこと。
これによって、現金が仲介しない自給社会の人々が現在、貧困とみなされてしまっています。
もう一つは、土地制度。
農耕社会や牧畜社会を営んでいる人々は、昔から広大な土地を利用し、焼き畑や放牧を行い、土地を維持してきました。
それが現在、土地の私有化が進み、外から投資目的で入ってきた資本家によって、次々と土地の権利が取得され、焼き畑を開墾するための土地がなくなり、十分な火入れができないため、雑草が生い茂る事態となってしまっています。
そこで、大山さんたちは、2011年から、ごみを利用した土地の緑化プロジェクトを始動しました。
もともと、ニジェールの人々は、不作に見舞われた時期があり、その時の経験を活かして、これまで土地を改善してきました。
自分の家から出る家庭ごみや家畜の糞などを畑に撒いていたんです。
この知恵を聞いた大山さんたちは、日本の都会で出た家庭ごみを、ニジェールの農村へと運び、そのごみを荒廃地に撒いてみることにしました。
すると、家庭ごみや家畜の糞に含まれている『カボチャ』や『トウジンビエ』などの作物、また、家畜の飼料となる植物の種子が発芽し、みるみる成長。
荒廃地に、植物が生い茂ったんです
その後、植物の数は増え続け、ごみを撒いてから3年後、樹木が生い茂るまでに成長しました。
こうして、都市部と砂漠地帯の循環が生まれたんです。
日本では毎年、国民一人あたり500kgの食料を海外から輸入されていますが、そのほとんどが食べられずに捨てられています。
フードロスの問題については、様々な取り組みが行われていますが、未だに改善される見込みはありません。
世界の周縁に位置する国の土地はどんどん痩せ細り、経済の中心地である都市はゴミが深刻な社会問題となっています。
大山さんは、これらの事を踏まえ、次のように訴えています。
「都市の衛生問題と農村の砂漠化の問題は、地球規模で起こっている」
「砂漠化の原因は、農村と都市の物質循環がうまくいっていないこと」
この新しい見解が今後、地球そのものを救うことになるかもしれませんね😌
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