雷に打たれピアニストになった男🌈
アメリカに生まれた、整形外科・義肢用品・スポーツ医学を専門とする医師トニー・チコリア。
彼は、1994年、42歳のとき、ニューヨーク州アルバニーの近くにある公衆電話で電話をした直後、突然落雷に遭い、心肺停止状態に。
稲妻が当たったとき、公衆電話からは約1フィート(約30センチ)離れていたそうです。
ちょうど、公衆電話を待っていた女性が、集中治療室ユニットの看護師だったため、すぐに心肺蘇生が行われ、彼は一命を取り留めました。
事故から数週間後、彼は、神経内科医のもとを訪れ、相談をしました。
記憶に問題があり、体もだるい感じがあったためです。
神経内科医は、EEGとMRIを含む、神経学的検査を行いました。
しかし、異常は何一つ見つかりませんでした。
それから数週間後、
彼の体力は、何事もなかったかのように回復し、すぐ仕事復帰も果たします。
それだけではありません。
その2週間後には、記憶も完全に戻り、落雷に遭う前と何ら変わらぬ生活が送れるようになったんです。
異変が起き始めたのは、その後でした。
記憶が戻ると同時に、
「ピアノ音楽を聴きたい」
という、これまでにない欲求に襲われます。
そこから彼の頭の中は、どこからともなくやってきた音楽のことでいっぱいになりました。
事故前は、特に音楽に興味を示すというタイプではなかったという彼。
記憶が戻ってから約3か月間、ほぼすべての時間を演奏と作曲に費やしたといいます。
そんなある日、彼はこんな夢を見ます。
自分がコンサートホールで、ピアノを演奏する夢です。
夢の中で弾いていたのは、今まで彼が聞いたことのない曲でした。
ベッドから飛び起きると、夢の中で弾いていた曲をピアノで弾き、音符に書き記そうとしました。
しかし、聞いた曲をそのまま音符に起こす術を知らなかった彼。すぐに初心者向けのピアノの本と楽譜を購入し、猛勉強したといいます。
不思議なことに、その日から毎日のように、夢で演奏した曲が頭の中で流れ始めました。
彼は、その曲を楽譜に書き留め、「稲妻のソナタ(The Lightning Sonata)」というタイトルを付けました。
その楽曲を音楽研究家の友人に聞かせたところ、
「これは、すごい」
すぐマスコミに取り上げられ、彼は、ニューヨーク州オニオンタでデビュー公演を行います。
そのパフォーマンスは素晴らしく、ニューヨーク州芸術評議会からの助成金を受け、見事、プロのピアニストとしてデビューすることになったんです。
彼はその後、『後天性のサヴァン症候群』であると診断されています。
後天性のサヴァン症候群とは、中枢神経系の怪我や病気によって並外れた能力を発揮するというもの。
雷に打たれたことで、神経のバランスが崩れ、その偏りが才能を開花させたというんです。
1年で、人が雷に打たれる確率は、およそ77万分の1から100万分の1。
彼が雷に打たれたのは、偶然とは思えません。
彼のように、人には、才能が長けているものが必ずあります。
誰もが自分の持った才能を開花させることができたら素敵ですね😌
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈