第3弾✨No.2『"SFM"6分間のマイファンタジー🌈』秋葉神社編⛩
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僕は張り詰めた空気のまま、着いたその先は、『駐車場すらない』真っ暗な小さな神社⛩でした…
B君「ホントにここ⁈さすがに暗過ぎない?しかも、駐車場すら無いし。やってるの?」
そこは、僕らの肩までもない低いブロック塀に囲まれた、小じんまりとした場所だった。
入り口には、小さな赤い鳥居の真ん中に「秋葉神社(あきはじんじゃ)」と書かれている。
A君「はい、入れます。お参りする所はライトがあるので。私は前に来たことがあるんですが、ここは良かったんで連れて来ましたw降りて行きましょう!」
はっきりと「入れます」と言うA君を信じて、僕らも真っ暗闇の中、クルマを降り、鳥居を潜る。
石畳みで造られた人がすれ違える程度のブロックの上を、ただ真っ直ぐ歩く3人は、A君の携帯ライトを頼りに恐る恐る辺りを見渡し、進んだ。
左右の低い灰色の塀を照らす携帯が、この神社の閉塞感を引き立て、人気の無い場所をより冷たく演出しているようだった。
B君「ヤバっ、めっちゃOBK出そうww」
(*゚▽゚*)( ̄∇ ̄)
そう言いながらテンションが上がるB君。どこか2人は楽しんでる。
A君「まぁ、いない事は無いですが、安全ですので…」
正直に先導するA君が携帯で照らした左先に、【古神札納め所】と言う御守りを回収する木の建屋があり、そこから古くなった御守りが乱雑に溢れ返っていた…
それを見て焦ったように話しをし出すA君。
A君「イヤ、ここはヤバイですね。ここだけは近づかない方がいいです…」
石畳みを右に降り、大回りするA君に釣られ、僕ら2人はさらに右側を歩き、駆け足で着いていく。
短いはずのただ真っ直ぐな一本道を進めると、目の前に小さな豆電球で照らされたお賽銭箱の前にたどり着いた。
その本殿は意外と綺麗な朱色で塗られ、想像より新しく見える。
A君「ここ良いですよ〜wwさぁお参りしましょうww」
言われるがまま3人で手を合わせ、お参りすると、不思議なことに直ぐに身体がポカポカしだして来た。
A君「ほら〜。やっぱり凄いでしょ?」
どうやら僕らの身体の温度が分かるかの様に笑顔で笑うA君。
B君「めっちゃ身体が熱いんだけど〜wwしかも、なんか光ってるように見えるしww」
確かにB君の言ったとおり、霊感の無い僕も何となく一瞬光ったように感じた。
伊勢神宮以来、B君と共感できた喜びに浸る僕は、怖がりながらも少し興奮していた。
A君「そうなんです!夜って感覚が研ぎ澄まされるので、B君にも視えるんですよ〜wwなので、夜に連れて来たんです。もちろん、ほとんどの神社⛩は夜に行かない方が良いんですが、今日のここなら大丈夫と確認済みですのでご安心をww」
どのように今日が安全だとかを確認したのかは分からないが、何か問題が起きないように能力で視た後にここへ招いてくれたらしい。
もちろんありがたいことだが、側から見たら不審な3人にしか見えないだろうと、普通の罪悪感が僕の中には起きていた。
A君「身体が熱いのは早坂さんにも何となく分かるかと思いましたので、ここに神さまがいて夜に来てもちゃんとエネルギーを与えてくれるのを実感できたのではないでしょうか?」
僕「はい…。神さまありがとうございます」
「「ww」」
(´∀`=)(*⁰▿⁰*)( ´∀`)
緊張したまま1人敬語の僕。後輩に笑われながらも、夜中の参拝で研ぎ澄まされた感覚のおかげか、霊感の無い僕でも身体で実感できることに驚いた。
しかも夜中でも神さまはちゃんといるという事実。
それでもやっぱり昼間に来たい雰囲気は変わりない。
なんならいま直ぐ走って車に戻りたいところ…でも2人に笑われそうなので、ここは平然を装う…
B君「何か分からんけど、右側の方明るくない?」
確かに、朱色の建家が右側だけL字に折れ曲がり、屋根付きの廊下みたいなのが続いている。
A君「そうですね…このまま帰るより、コッチを通りますか」
本音を言えば凄く嫌な僕。しぶしぶ2人に着いて行くと、古い木の板でできた床が僕らのせいでギシギシと歪み、夜の神社に奇妙な音で鳴り響いていた。
僕「気味が悪い…」
なぜか前の2人は無言で進み、あたかも感触を確かめているみたいに楽しんでさえ見える…
ぶら下がっている豆電球💡を頼りに朱色の廊下を進み曲がると、今度は全く電気の無い長い暗闇の廊下が現れた…
A君「ここ、折角ですので、おひとりずつ歩きますかww」
携帯のライトを敢えてOFFにし、突如言い出すA君。
「何をバカな‼︎( ゚д゚)…」っと夜中に叫びそうでしたが、寸前で圧し殺す僕。
2人は取り憑かれたかの様に不適な笑みを浮かべ、何故か僕を押し出し先頭にした…
A君「お二人からしたらここはいま、ワープゾーンみたいな空間に感じるはずです。今後の大事な決断などの勇気がいる場合にとても役立つかと思いますので、コッチから行きましょうwwでは早坂さんからどうぞww」
A君の言う通り、そこは何故か一歩先すら見えない霞んだ廊下だった…
しかも、今にも吸い込まれそうな引力すら感じる異質な場所…
どうやら、こんな夜中の神社で突如、魔法使いによる勇気を試す試練が始まった模様…
先頭は何故か僕。恐怖で1度、2人の顔を見ますが、やはりワクワク感が漂っている怖いもの知らずな笑みをしていた…
A君は霊視でもしながら、僕のオーラの変化を覗くかのように両腕を組んで見つめてくる。
その前に立っているB君は、なんなら今にも飛び跳ねるぐらいの気狂いな雰囲気で、にやけながら順番待ちをしている…
2人共、もう夜中の神社で「人間の思考を忘れたのか?」くらいな奇妙な笑み…なんなら、憑依されてるって言ってくれた方が納得できるくらいだ。
そんな2人に背を向けもう一度暗闇へ目線を向ける…
前は不気味なワープゾーン…
後ろは憑依された奴ら…
挟まれた産まれたての青白い子鹿…
僕「も〜行くしかないか〜」
勇気が出ない僕は一度、文句を言ってからスタートした。
そして2人には怖がってることがバレない様、敢えてゆっくりと歩みを進める…。どうせ能力でA君にはバレているだろうが…
「ギシギシギシ、ギシギシギシ。」
朱色の暗闇の廊下はさっきまでの場所とはまるで違う。そこは、一歩進むたびに360度世界が変わる不思議な空間だった…
何故か赤や青や紫色が円を描き視覚に飛び込んでくる…
床に置く足の感覚もまるでなく、ギシギシと音だけがだいぶ遠くから聴こえてくる様な感覚…
きっとこの廊下は20歩ぐらい…
なのに、幼少期から今までの人生の歩みを真横から観ている様な思考にまでなってくる…
でも、一歩の歩みを少しでも止めたら深い闇に足を取られる感覚もそこには潜んでいた…
進んだらもう、
『絶対に止まってはいけない』
これだけは間違いない。それだけの恐怖と異様な美しさが一歩の空間に複雑に絡み合っている…
ただ前へ進むことを躊躇わない…歯を食いしばりながら歩く僕は、途中から耐え切れず目を閉じて歩いていた…
もう一度目を開けたその時には、その廊下から2.3歩抜け出し、ただ砂利の上に立っていた。
それだけ足の感覚が無かった。しかも不思議なことに、さっきまでの暗闇が晴れ、周りがくっきりと明るくさえ見えている。
驚きつつもとりあえず次のB君を呼んでから一緒に実感することに。
僕「い〜よー!B君おいで〜」
僕の返事に、ニコニコしながら勢いよく飛び出すB君。
この朱色い廊下を、足元に火🔥でもあるみたいに飛び跳ねながら走っている。
B君「ドドドドッ👣うわ〜〜何これ〜ww!!めっちゃ怖いんだけど〜ww」
\(*⁰▿⁰*)/
「「あはははっっ」」
(=´∀`)( ・∇・)
笑えるのは先に行った特権とばかりに、僕は楽しんでB君を眺めていた。
でも、あんなにB君が怖がると初めから知っていれば、自分も我慢しなくても済んだのに…
少しショックを受けながら、次のA君の様子を見る。
A君は変わらず両腕を組んだままゆっくりと歩き出し、左右上下をじっくり観察しながら僕らに説明し出した。
A君「凄いですね〜w本当に足元が火🔥で包まれてますw周りは色んな光が無数にあって、私から視えるものでも全体がワープゾーン見たいですwwめっちゃ面白いここww」
B君のあのリアクションは、どうやら視えてたからこその動きだった様だ。
そして、怖がるどころか愉しんで僕らに解説してくれるA君。
初めて会ったときには『スピリチュアルな事に興味が無い』と言っていた…
どうやら、共感できる僕らと一緒ならその世界を愉しめるようだ。
幼い頃の彼は、皆んなも当たり前に視えてるもんだと思って暮らしていたみたい。
自分だけ視えてるんだと気づいてからは、その世界は普段の生活に全く必要がないのならと、きっと心を閉ざしていたのだろう。
僕らがその世界を強く知りたいと思っているからこそ、ようやく自分の能力に意味を持たらしたのか、一緒に愉しんで説明してくれるA君。
自分の変わったこの趣味が、A君にとっても嬉しいならと、もっと体験したくなって来ている僕。
これが恐怖に打ち勝った効果なのか、より好奇心に忠実な感情がここで芽生え始めていた。
しかし、冷静に考えるとここは夜中の神社⛩
あまり彷徨いているとロクな事は起きない。そう思っていると、意外にも最初にB君が話しかけてきた。
B君「もう十分堪能したから、そろそろ帰らない?何か寒くなって来たし」
A君「そうですね。目的は済んだので早めにクルマに戻りましょう。夜の山は何が起きるか分かりませんしww」
自分の口から言わずとも、2人から直ぐ帰る流れを出してきた。2人は憑依されてるかもと疑ってた僕は、内心ホッとした。
来た道を戻り、颯爽と帰る僕ら。まだ境内全体は明るく見え、はっきりと低めのブロック塀の凸凹の隙間に挟まった雑草まで見えたまま、石畳みを歩く。
始めに通り過ぎた赤色の鳥居⛩を目にした僕は、ここにきて、ある過去の記憶と繋がった…
僕「あっ、そういえば秋葉って、天竜方面のあの秋葉神社のこと?」
A君「そうです。そこが大元の総本山です。早坂さん、知ってたんですか⁇」
…そう、それは忘れもしない誕生日のあの日…
僕はここ秋葉神社の総本山である、火之迦具土大神(ひのかぐづち)の神さまが鎮座される場所へ御祈祷を受けに行き、
ある不思議な体験をしていたのを思い出したのだった…
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