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ヨーロッパの船乗りによって発見された栄養素🌈

15世紀から始まった『大航海時代』。

船乗りたちは、海の上特有の激しい気候の変化や荒波など環境の変化を潜り抜け、流れ着いた各地の情報を互いに共有し合うことで、発展させていく新たな時代に突入していました。

そこで、ある病に侵されます。

それが、『壊血病(かいけつびょう)』です。

壊血病は、当時、船乗り特有の病気で、原因不明の感染症とされていました。

この病により、

「15世紀のコロンブスの航海から19世紀の蒸気船の時代まで、少なく見積もっても200万人以上の船乗りが命を落とした」

と、言われています。


そもそも、『壊血病』とは、どのような病なのでしょうか?

これを紐解くカギは、当時、船乗りたちの摂っていた食事にあります。

<船乗りの食事>
朝食 → 砂糖で甘味をつけた水っぽいオートミール
昼食 → マトンのコンソメスープ、ソーセージ、パングラタン、ラスクを砂糖で煮た粥
夕食 → ひきわり麦と干しブドウ、スグリの実と米、ワインとサゴ

これが、船乗りたちの主な食事内容。

この食事内容に目をつけ、初めて壊血病の臨床試験を行ったのが、スコットランドの若き海軍の軍医(軍に雇われている医師)でした。

乗組員24人を選び、2週間に渡って、壊血病の臨床試験を行いました。

この臨床実験で分かったのが、壊血病が、ある栄養素が不足することによって、起きる病であること。

その栄養素が、『ビタミンC』

ビタミンCは、紫外線によって壊れる栄養素。

しかも、体内では生成できません。


船乗りたちは、太陽の直射日光による激しい紫外線を浴びていました。それが原因でビタミンCが不足していたんです。

臨床実験で、半数の乗組員に「オレンジ2個とレモン1個」を与え続けてみたところ、わずか6日目で、ほぼ回復し、壊血病の症状を治すことができました。

しかし、新鮮な果物は、長い航海には適しておらず、発見されてからも病は一向に減りませんでした。

そこで、野菜でビタミンCを摂取する方向にシフトします。

軍医が提案したのが、ビタミンCを多く含む、『ザワークラウト』と呼ばれる、キャベツを発酵させた食べ物。

ただ、これが、あまりにも不味かったらしく、乗組員が食べるのを拒否する事態に見舞われます。

そこで、ザワークラウトをあえて『上官専用食』とし、上官が乗組員の前で美味しそうに食べる演技をしたそうです。

「上官の意向は、絶対」

この考えのおかげで、上官が乗組員たちに分け与えることで、壊血病を克服したという、逸話もあります。


古代エジプトの壁画には、壊血病と思われる病に対し、解決策として当時、『玉ねぎ』を摂取している光景が描かれています。

現代においても、インドでは生の玉ねぎを食べて、夏バテ予防をしています。

ただ、実際には玉ねぎには微量のビタミンCしか入ってはいないそうです😅

ビタミンCについては、いずれ詳しく書きますので、皆さんも、普段からフルーツや野菜を摂り、ビタミンC不足にならないようにしましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈

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早坂 渚
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