たった3年で70億匹が消えた!?一攫千金も狙えたベーリング海のカニ漁🌈
アメリカとロシアの間に位置する太平洋最北部の海『ベーリング海』。
東のカムチャッカ半島と西のアラスカ半島、そして、南のアリューシャン列島に囲まれた場所にあるこの海は、大量のズワイガニが生息する、世界屈伸のカニの好漁所です。
ベーリング海のカニ漁は、世界で最も過酷な漁業の一つ。
彼らは、3ヶ月ある漁期で、年収1億円を超えることもあり、月収で換算すると約3,000万円を超える計算になります。
しかし、ベーリング海は、極寒の海。
時化が激しく、船が転覆する恐れもあります。
カニ漁で一攫千金を狙えるのは事実。
ですが、ベーリング海のカニ漁は、常に高いリスクと隣り合わせの漁業なんです。
特に、ベーリング海などの遠洋漁業では、1匹のカニが高額で取引されることもあり、そのために、過酷な海の状況に耐え、連日の長時間労働を乗り越えなければなりません。
そんなベーリング海のカニ漁に近年、大きな問題が発生しました。
ズワイガニの数が、2018年時点では約80億匹だったのに対し、2021年には10億匹。
つまり、たった3年で、70億匹も姿を消してしまったんです。
ズワイガニは、冷たい海水を好むため、極寒のベーリング海は格好の漁場。カニの生息に適した水温は、ライフサイクルによって異なります。
・カニの未成体 ⇒ より海水温の低い海域で生息
・カニの成体 ⇒ やや暖かい海域に移動
中でも、マイナス2度以下の冷たい場所は『コールドプール』と呼ばれ、多くの海洋生物から避けられる海域になります。
しかし、ズワイガニの未成体にとっては、最も適した生息地となるんです。
そんなベーリング海の海水温は、2017年から2019年にかけて、記録的に上昇。2018年には、海氷域が最も少なくなり、コールドプールが初めてなくなりました。
つまり、温暖化の影響で、カニのエサが減少し、大量に餓死してしまったんです。
アメリカ海洋大気庁は、
「このような環境事象の後は、個体数や生態系の変化が顕在化するのに数年かかる」
と分析しており、命懸けで海に出ていた漁師たちにとって、悲しい現実を突きつけられる形となりました。
海水温上昇による経済損失は、少なくとも、10億ドル(約1400億円)にのぼると言われています。
そして、2022年からは、ベーリング海でのズワイガニ漁が完全禁止に。
その原因は、
「産業革命以降、最も高い海水温を記録しているため」
2040年代まで、この状況は続くと予想されています。
カニの生息を保護するため、引退を余儀なくされた、ベーリング海のカニ漁師たち。
一攫千金は、一時的なものだったようです😓
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈