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日本初のディナーセットを販売したノリタケの歴史と職人による伝統技法🌈

日本を代表する洋食器ブランド『ノリタケ』。

気品ある形やデザインに定評があり、国内外問わず、世界中で親しまれている陶磁器メーカーです。

ノリタケは、幕末の動乱期(明治時代初期)に陶磁器の生産を開始。

その芸術的価値の高さは、常に、国内外で注目を集めています。

この明治時代から第二次世界大戦までの間に製造された製品は、『オールドノリタケ』と呼ばれ、世界中の陶磁器愛好家やコレクターたちから高い評価を得ています。

アンティークとしての価値も年々高まってきており、近年、『アメカジ』や『ビンテージ』ブームも相まって、日本の陶磁器のビンテージが注目を集めています。


ノリタケの製品の特徴は、白く繊細な磁器の美しさ。

この白色の磁器を実現するために、創業者の森村市左衛門は、1903年に渡欧し、そこで、西洋の製陶技術を身につけます。

その結果、辿り着いたのが『天草陶石(あまくさとうせき)』。

<天草陶石とは?>
熊本県の天草下島という島で採掘される粘土の鉱石(陶石)。
主に陶磁器の原料として使われており、日本で産出される陶石(磁器原料)の約8割を占めている。
別名『天草石』と呼ばれている。

森村市左衛門は、この陶石を利用し、ノリタケクオリティを確立。

このノリタケの品質を裏で支えているのが、熟練の職人たちによる一陳盛(いっちんもり)』という伝統技法です。

一陳盛は、陶器の表面に立体的な装飾を加えることで、奥行きと豪華さを表現する技法で、それに『盛上(もりあげ)』や『金盛(きんもり)』といった技法を組み合わせて、ノリタケ独自の『芸術性』と『精密さ』を表現しています。

さらに、一つ一つの製品の仕上げは全て、職人たちによる手作業。

ノリタケの製品に、妥協はありません。


そんなノリタケですが、実は、日本初の高級洋食器『ディナーセット』を完成させるまでに、約10年かかっています。

欧米諸国では、食事にディナー皿を使うことが一般的。

そのほとんどが『ディナーセット』で販売されていました。

日本の和食器は、一つ一つ形が違うことがむしろ趣があり、良いとされていますが、洋食器は、重ねた時の『均一性』が求められます。

そのため、特に、磁器の『質感』や『形状』の研究には、かなりの時間を要したそうです。

そして、創業から約10年の月日を経て、ようやく純白のディナー皿が完成。

1914年に輸出がスタートしました。

以降、続々と受注が舞い込み、初年度にわずか20セットだった出荷数が、4年後には約4万セットに。

その頃には、ディナーセットが会社の主力商品となっていました。

このディナーセットは、国外でも高く評価され、『ノリタケチャイナ』として広く知られるようになりました。

現在は、伝統的でフォーマルなデザインの食器だけでなく、幅広い世代、男女を問わず愛される新しい感覚の食器も数多く販売されています。


そんなノリタケの伝統と文化は、愛知県名古屋市にある『ノリタケの森』で体感できます。

絵付け体験や博物館をはじめ、『イオンモール Nagoya Noritake Garden』が隣接された庭園もあり、おすすめです。

ぜひ、皆さんも、ノリタケの森で、日本の陶磁器の世界を体感してみてください😊

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
 

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早坂 渚
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