人間の生き方 ベートーヴェン
ベートーヴェン(1770年― 1827年)はドイツの作曲家、ピアニストである。日本では「楽聖」と呼ばれて、後世の音楽家たちに多大な影響を与えた。
ベートーヴェンの音楽界への寄与は甚だ大きく、彼以降の音楽家は、大なり小なり彼の影響を受けている。
ベートーヴェン以前の音楽家は、宮廷や有力貴族に仕えて、作品は公式や私的行事における機会音楽として作曲されたものがほとんどであった。
ベートーヴェンはそうしたパトロンとの主従関係(およびそのための音楽)を拒否して、大衆に向けた作品を発表する音楽家の嚆矢となった。
音楽家=芸術家であると公言した彼の態度表明、また一作一作が芸術作品として意味を持つ創作であったことは、音楽の歴史において重要な分岐点であって、革命的とも言える出来事であった。
中でもワーグナーは、ベートーヴェンの交響曲第9番における「詩と音楽の融合」という理念に触発されて、ロマン派音楽の急先鋒としてその理念をより押し進め、楽劇を生み出した。
また、その表現のために、豊かな管弦楽法によって音響効果を増大させて、ベートーヴェンの用いた古典的な和声法を解体して、トリスタン和音に代表される革新的和声で調性を拡大した。
一方のブラームスは、ロマン派の時代に生きながらも、ワーグナー派とは一線を画した。
あくまでもベートーヴェンの堅固な構成と劇的な展開による古典的音楽形式の構築という面を受け継ぎ、ロマン派の時代の中で音楽形式的には古典派的な作風を保った。
しかし、旋律や和声などの音楽自体に溢れる叙情性はロマン派以外の何者でもなかった。
また、この古典的形式における劇的な展開と構成という側面はブラームスのみならず、ドヴォルザークやチャイコフスキー、20世紀においてはシェーンベルク、バルトーク、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ラッヘンマンにまで影響を与えている。
ベートーヴェン(1770年― 1827年)はドイツの作曲家、ピアニストである。日本では「楽聖」と呼ばれて、後世の音楽家たちに多大な影響を与えた。
人間の生き方について彼は語っている。
「苦悩を突き抜ければ、歓喜に至る」
さらに彼はこういう。
「もしも美しいまつげの下に、涙がふくらみたまるならば、それがあふれ出ないように、強い勇気をもってこらえよ」