手のひらの歌
手のひらの歌・46
「初版と同じ版で、同一の書籍を再び出版することを、再版といい、 印刷物の中の文字や符号などの誤りを、誤植という。もし人生、に再販があるとすれば、人はどういうふうに誤植を直すだろうか。人生は起伏の激しい川の流れで、人は小舟にのって絶えず揺れ動いていく。過去のミスプリントに、手をのばす暇はない」
「出版」
出版とは、販売や頒布をする目的で、文書や図画を複製して、これを書籍や雑誌の形態で発行することで、上梓(じょうし)や、板行(はんこう)とも呼ばれる。
上梓の「梓(し)」とは、(カバノキ科のミズメのことではなく)ノウゼンカズラ科のキササゲのことで、古く中国で、木版印刷の版材にキササゲが用いられたことに基づく。
書籍や雑誌などの、出版されたものを出版物(しゅっぱんぶつ)と呼び、出版を事業とする企業を出版社と呼ぶ。
出版(複製)は、一般に印刷によって行われる。新聞も同様の方法で発行されるが、流通経路が異なり、通常は出版とは呼ばない。
ただし、現在ほとんどの新聞社(またはそのグループ会社)では、雑誌や書籍の出版も手がけている。
出版(書籍、雑誌)は、新聞やラジオ、テレビに比べて、情報伝達の速報性などの点で劣っている。だが、一方で正確性や蓄積性などに優れたメディアである。
「誤植」
誤植(ごしょく)とは、印刷物における文字や数字や、記号などの、誤りのことである。
特に、企業名・商標・人名をはじめとする固有名詞や、数字の位取りの誤植が起こると、大きな問題となることがある。
もともとは、活版印刷や写真植字で、間違った活字を植字してしまうことを指したが、転じて印刷物全般や、ウェブサイト上の誤字や脱字や、衍字についても「誤植」と呼ばれることがある。
「再販」
再販売価格維持契約(さいはんばいかかくいじけいやく) とは、製造業者などがその商品を販売する卸売業者や、小売業者に対して、顧客への販売価格を指定して、これを維持させる契約である。再販契約、再販制ともいう。
日本では、著作物である書籍・雑誌・新聞・音楽ソフトの4品目が対象とされる。再販売価格を維持する行為は、独占禁止法で原則として禁止されている。
だが、文化の振興や普及の観点から、これらの著作物は、例外として認められている。かつては公正取引委員会によって、指定された商品にも適用して、医薬品などが対象とされたが、現在は廃止されている。