毎日せっせと唇を赤くしている女たちへ
「唇なんてね、赤ければ赤いほど良いんだよ。」
これは誰も言ってない言葉。
普段からそんなにしっかりメイクをしないけれど、何に対しての後ろめたさからかリップだけは塗っている。まあ自分でも塗らないよりは塗ったほうが強いだろ、と思っている。装備が増えたみたいでね。外へ出てみると、ありとあらゆる種の女たちはみんな唇を赤くしている。世界のいろんなところで、女たちは唇に色をつけ、血が十分に通っていることを証明し続けている。ウワクチビルとシタクチビルが逢瀬する総回数を数えるバイトとかないかな。是非やらさせてほしい。いや今のバイト辞めたいってだけです。クチビルってカタカナにしてみると蛭の一種みたいで、この前スタンドバイミーを見返したからか、にまにまとしてしまう。
蛭って本当怖いよね。どこが頭かわかんないし。蛭の大きさだけ、血がなくなっているって思うだけでゾッとする。でも献血だったら清々しい気持ちになるよね。そういえば蛭に血をあげるのと、献血するのって本質的に何が違うのかあんまりよくわからない。不思議だね。こういうこと思いついたら連絡する友達にラインしてみようっと。
もし唇が明日から蛭になります!って公式発表されたらそれでも女たちはめげずに唇を赤くするんだろうか。いやきっとするな、執念がすごいもの。あっ、公式発表ってどこの??って思った?ちゃんと普段からそう思っておきなよ。こんな良い加減な公式なんてそこらじゅうに溢れてるんだからね。
とにかくね鏡見ながら、リップを塗っていてなんかおっかしいなあって思ったわけ。これってなんだろうって。みんなさ、「なんで山登るの?」とか「なんで勉強するの?」とか「なんで生きてるの?」とか考えたりするわけなんだけど、でも意味もよくわからずにリップだけは毎日塗ってるじゃん!理由なんてないんだよ大体のことには。とにかく自分がいいかも、って思ったことをずっとやっていけばいいんじゃないかな。明日から唇を青く染めてもいいわけだし、
暑かったりお腹痛かったりしんどかったりしても、変わらずリップだけは強く握りしめて離さない女たち。好きだよ。バイバーイ