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リレー写真展"葉山のいとなみ"展 写真家インタビュー vol.2 中村和平さん

====町制100周年記念事業==== 
葉山に拠点を置くプロの写真家8人によるリレー写真展
写真展"葉山のいとなみ"vol.2 中村和平さん「小さな隣人たち」

2024年11月30日、8名のプロの写真家によるリレー写真展示”葉山のいとなみ”が始まりました!(2025年3月末日まで、詳しくはこちらから)

リレー展示の第二弾の作家は、フリーランス映像ディレクター/フォトグラファーの中村和平さん。

中村和平さん

中村和平(なかむら わへい)
葉山町出身。フリーランス映像ディレクター/フォトグラファー。
前職の会社で人事責任者を経験後、2022年に映像クリエイターとして独立。
"5感を思い出し、余白を与えられる映像づくり"をモットーに企業VPアーティストを映像・写真で支援。
地元への恩返しとして、葉山の企業や個人とも積極的に繋がりクリエイティブで制作で支援をしている。
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今回も事務局が中村さんにいろいろなお話を伺いました!

事務局:今回のリレー展示に参加されたきっかけを教えてください。
中村さん:以前、葉山まちづくり協会(以下、まち協)の方から、この写真リレー企画の相談を受けまして、あれこれアドバイスをしているうちに、自分も参加することになったんです。
事務局:普段は、クライアントワークがメインのようですが、この昆虫たちの写真はどこで撮影されているんですか?
中村さん:僕は一色に住んでいて、裏山というか、ナショナル・トラストの山がすぐ近くにあるんです。で、焚き火が趣味なんですけど、そこで薪を集めたりしているときに出会うんですよね。あとは、家の玄関先にきたりしていますね。特殊な虫を撮っているわけではなくて、葉山にどこにでもいる子たちを撮ってるんですよ。
事務局:もともと昆虫がお好きなんですか?
中村さん:うーん、、、個人的に昔から、綺麗なものを撮ることに興味がなくって、それよりも、生々しさとか、一瞬目を背けたくなるようなものや瞬間にすごく興味があって。そういうものを敢えてアップで撮ることにある種のカタルシスというか、面白みを感じていた。で、実際撮影したものを観て、そこに、グロテスクさとかいうものの奥にある美しさや神々しさを感じて、それで撮り始めたんですよね。

写真提供:中村和平さん

事務局:失礼ながら、虫が苦手で。最初ちょっとギョッとしたんです。でも、じっくり観るとなんか、語りかけてくる。撮影する時に虫たちとコミュニケートされてるんですか?
中村さん:そう、、、ですねぇ。(カマキリの写真を指して)たとえば、このカマキリ。この子なんか、すごい大人しくて。すごいカメラ目線を意識してくれるんですよね。とっても個性が見える、とても素敵な写真になった。で、よくみるとかわいいんですよね。近くで見ないとわからない特徴とか。目も、ちゃんと黒目の部分があって。意外にかわいい目をしていたりするんです。ただの虫というより、キャラクターが宿っているような気がしてるんです。ダンゴムシにも目っぽいものがあってこっちを見てくれてるようなんですよ(笑)

写真提供:中村和平さん

事務局:すごい、可愛くみえてきた
中村さん:そもそも、技術先行みたいなところもあって。接写の技術をやりたいっていうか。だから、花も撮ってみたんですけど。でも、なんか違うなって、、虫はキャラクターが伝わるというか、そういうとこで、やっぱ虫だなと。
事務局:こんな素敵な作品を撮っていらっしゃるけれども、もともと、全然違う仕事だったんですよね?
中村さん:そう、元は人事畑で働いていて、クリエイティブは趣味だったんです。写真はあくまで趣味で、技術は独学なんです。構図に関しては、物心ついた時から「こんな感じいいな」っていう直感みたいのがあったんです。
事務局:すごいですね!
中村さん:でも、それってすっごい大変だったんですよ。学んでないって。学べばまっすぐ行けるところを、遠回りしないといけなかったり、再現性がなかったりして、すっごい苦労しました。でも、最近は自分のイメージやセンスに技術が追いついてきて、それでちゃんと評価もしてもらって、自信がついてきましたね。だから最近は、まずは自分が美しいと思ったものが撮れたらいい、と思うんです。
事務局:習っていないこととか、全く違う畑を経験しているとか、全てが中村さんの作品なんですね。だからこそ、虫との意思疎通みたいな、キャラを引き出すみたいなことができるんでしょうか?
中村さん:そうですね。人事畑にいたので、相手の考えていることを察知するというか、、その奥・その先を読むことができるタイプなんですよね。だから、”虫”っていう大枠が撮りたいっていうより、”その子”のストーリーが撮りたいっていうか。例えば、この子がこの後何を見て、どう動くのかとか、写真以上のその子その子のストーリー、みたいのを割と意識してますね。人もそうですよね、国籍とかで括ったらステレオタイプだけど、でも、個人ってもっと奥行きがあるというか、ストーリーがある。昔から、映像でもなんでも、そういう”間”から感じるものをすごく意識している。だから今回も、虫の写真を楽しんでもらいつつ、そういうストーリーや間も感じてもらえたら。

展示風景

事務局:さて、話は変わりますが、生まれも育ちも葉山で、今葉山でクリエイターとして生業を立てていらっしゃいますが、これからそうしたいなと思っている中村さん世代の人たちに、アドバイスとかありますか?
中村さん:ぜんぜん、できると思いますよ。逗子からのバスの不便さはありますが、始発だから(電車に)乗っちゃえば仕事ができるし。リモートとかなら、全然問題ないんじゃないですかね?むしろおすすめ。ぼくも、撮影とか打合せはいろいろなところに行っていますが、基本は葉山を拠点にして仕事してます。なにより海も山も近くてオン・オフの切り替えがしやすくて、生活にメリハリを付けやすい。自転車があればさらに便利だと思います。今葉山は家賃高いみたいですけれど、シェアハウスとか活用するとか、いいんじゃないかな、と思います。
事務局:ありがとうございます。最後に、この展示を観にきてくださる方たちに一言いただけますか?
中村さん:「よーく観てください」ですかね。随意反射的に感じてしまう、恐怖の先・奥にあるものを観て欲しいんです。その先にあるものを観ることで、見え方って変わるので。

中村さんは今後、子ども達に撮影のワークショップをしたりなど、次の世代につないでいくこともしたいとおっしゃる一方、映像作品の撮影を予定しているそうです。葉山がロケ地になるかもしれません!地元・葉山を盛り上げるクリエイティブな中村和平さんの活躍に目が離せません!

そんな中村さんの虫達を観にぜひ、葉山まちづくり館にいらしてください!
お待ちしております!

【展示情報】
中村和平『小さな隣人たち』(葉山のいとなみシリーズ第二弾)
会期:2024.12.14(土)~12.26(木)
場所:葉山まちづくり館(葉山図書館2階)
開館時間:10:00~17:30

文責:山本玲子(葉山まちづくり協会 事務局)


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