なんでもいいってわけじゃない性癖の話 ヤンデレ編
少しコアというか、マニアックな性癖に対してのこだわりを語りたい。友人と語り合えたのが楽しかったので、熱があるうちに書き留めておく。
※ここでいう「性癖」とは行動や性格の特性という意味ではなく、「作品嗜好、性的嗜好」という意味合いで使用しています。誤用であることは承知の上です。ご容赦ください。
※あくまでフィクションでの話です。この件に関して、「何故それに萌えるのか」という精神分析は何卒ご遠慮ください。
好みの範囲が幅広い
私はそこそこ幅広い性癖を持っている、と思う。雑多とも言うべきか。
マニアックなものも割と好きだし、王道的なものも好き。ハッピーエンドも好きだけど、暗い話や、場合によってはバッドエンドも嫌いじゃない。メリーバッドとかも好き。
グロ描写もそれ自体が好きというわけではないけど、前後のストーリー次第ではとても萌える。
エロも平気。むしろ好き。そちらの嗜好も割と幅広い。変態要素が強いものも。痴漢とか寝取られもイケる。
不健全な関係性も好き。ヤンデレ、共依存みたいなズブズブな関係だったり、行きずりや近親、先生と生徒みたいな割と倫理的にアレな関係とか。
けれど、その要素があればなんでもいいわけじゃない。だから、それぞれがものすごく好きな人たちとはびみょーに、話が合わなかったりする。
だから、今回は私の性癖の細かいこだわりについて語ってみようと思う。
今回は主に「ヤンデレ」について語る。
念のため述べておくと、「私は特にヤンデレが好き」という話ではなく、数あるジャンルの中では比較的好きな方で、その中でもこういう感じのものに萌える、という語りになる。
ヤンデレの定義
ヤンデレの定義については、この記事においては「対象への病的なほどの執着や愛情、そして実際に精神を病んでしまう状態」くらいのふわっとした理解で進めたい。もっとざっくり言うと「愛が重い」くらいの理解でも可。
※今回、この記事を書くにあたって、ヤンデレを調べてみたんだけど、わたしが好きなヤンデレとズレている気がしなくもないから、世のヤンデレフリーク諸氏からは「それはもはやヤンデレではない」と言われそうなんだけど、そこは生温い目で見守って欲しい。
この時点で「ヤンデレは苦手」と思う方は恐らく不快になると思うのでそっ閉じを推奨する。また重ねて、あくまでフィクションの中での話である事を留意の上読み進めて欲しい。
歪んだ愛と独占欲の成れの果てが好き
私が思うヤンデレの魅力は、思い込みの激しさをはじめとした幼稚なメンタルと、過剰な独占欲だと思う。
けれど、ただ病んでいるだけではダメ。たとえ歪んでいても、そこにはエゴ以外の愛、執着がないと萌えない。
それがたとえ歪んだ愛情であっても、相手を独占する手段がエスカレートした結果として、束縛、監禁、軟禁、暴力、性行為の強要etcがあったとしても、とにかくそこに愛があって欲しい。
優しくある必要はなくて、別に残虐でもいいんだけど、その人なりの純粋さや愛が見えるといい。暴力を振るっていても、その人の思いやりや愛情表現の形が歪んでいるだけ、みたいな。
逆に言えば、一見純粋な愛に見えるのに深掘りすると実は歪んでいた、みたいなのも大変ゾクゾクする。「あれ?尤もらしいこと言ってるけど、よく考えたらおかしくない……?」みたいなやつ。
ちなみに、そういう一見ヤンデレなキャラが社会的倫理に背いたり、相手の尊厳を無視することに対して、葛藤や罪悪感があると、ハチャメチャに萌える。あからさまじゃなくて、見え隠れする程度でもいい。
逆に罪悪感や葛藤がなくても、それが相手への愛の形だと信じて疑わないくらいの突き抜けっぷりがあると最高に萌える。さも当たり前の様にヤバいことを口にする無自覚ヤンデレも好き。
ヤンデレは社会と戦わないでほしい
個人的には、テンプレ的なヤンデレは実を言うと苦手。何度も言うけど、ただ病んでいればいいというわけではない。「相手の嫌がる事をしてしまっただけ」みたいなのは苦手なんだ。
だからストーカー行為とかには萌えない。どうせやるなら嫌がらせだと悟られないように監視して外堀を埋めるくらいして欲しい。
思い込みが激しくてもいいんだけど、相手の気持ちを完全に無視した、ただの「迷惑なだけのキャラ」になっているものにはどうにも萌えない。
あと、あれだ。これは多くのヤンデレ作品にありがちなやつの中でも、特に第三者に対して牙を剥くタイプのヤンデレが苦手だったりする。ここがイマイチ「ヤンデレ好き」と胸を張って言えないポイントかもしれない。
いわゆる「お兄ちゃんどいてそいつ殺せない」ってやつ。(今の子は知らんか、そうか)
いや殺すなよ、と思う。
そこはどこまでも二人の世界にしよう。殺すならお兄ちゃんにしよう。いっそ殺さなくてもいいように閉じ込めてしまおうよ、と思ってしまう。
これはあくまで個人的好みなので、社会と戦うヤンデレが好きな人もいると思う。そこはそれ。住み分けしてくれ。けれどあくまで私はヤンデレには社会と戦わないで欲しい。社会とかいらない。現実とかいらない。社会に立ち向かう暇があるなら、束縛対象をちゃんと見てくれ。
「邪魔する奴らは許さない」じゃなくて「邪魔する奴らは目に入らない」くらいがいい。
もし社会と戦うってんなら、あくまで秘密裏に。表向きにはニコニコしながら裏で制裁を加えたりと巧妙にやって欲しい。むしろ周囲に根回しをして、束縛対象がどこにも行けなくなるように、対象自身を精神的に追い詰めてほしい。
ヤンデレよ、賢くあれ。感情のままに振り回すのではなく、欲望に忠実かつ徹底的に冷静に、理性で翻弄して追い込んで、突き落としてほしい。
そこに関して言えば、海外ドラマ版「ハンニバル」のレクター博士のウィル・グレアムに対するシーズン1における行動とか、めちゃくちゃツボ。博士のイタズラ(広義)超かわいいと思うの。
でも、欲を言うと、できれば攻撃のベクトルも、お互いの間で完結してほしいんですよ。お仕置き的な。あくまで閉じた世界であってほしい。
それがあれば最終的に殺す寸前までいってもいい。ストーリーに納得ができれば殺しちゃってもいい。そのあとの慟哭とか絶望とかも、テンションによってはゾクゾクする。
ちなみに、ヤンデレに束縛される側は、束縛されることに抵抗があってもなくてもいい。本気で嫌がってるだけだと、ちょっともにょるけど。あ、身体の関係で深みにハマり込んで行くのは最の高だよ。
それでもやっぱり、束縛する側には愛が欲しい。執着が欲しい。
さらに欲を言えば、そこに至るまでのストーリーに説得力が欲しい。誰でもいいわけじゃないと思える何かや、そのキャラに病的にこじらせるに至った何かが欲しい。
私が萌えたヤンデレ男 三選
せっかくなので、具体例を。過去にかなり萌えたヤンデレキャラの概要と萌えたポイントを語る。
【1】自己嫌悪こじらせ男
ある男が恋人を監禁するんだけど、恋人側は監禁されても結構あっけらかんとしてて、男のことが好きだから、「困るなあ」と言いつつそれを受け入れている。
けれど男は、監禁してるのに受け入れられたのが不本意だった。優しくされるのが苦しい、真っ当な愛情では満たされないからさらに拗らせていって、「なぜ俺を憎んでくれないんだ」みたいな事を言ってくる。ほんと、心底クソめんどくさい奴なんだけど、だがそれがいい。その葛藤、依存心、自己嫌悪、どれを取っても最の高。
【2】元カノ未練タラタラ男
色々あって拗れた元カノに無理やり復縁を迫って最終的に監禁に至るんだけど、「もうずっと一緒なんだから、どこに行く必要もないよな?」とか言って靴を隠したり、勝手に会社に連絡したり、四肢の自由を奪ったりする。そして「何が食べたい?手足が使えないんだから、食べさせやすいもので頼む」とか、冷静に言うあたり、その吹っ切れた狂気っぷりが最オブ高。
これ女性が元カノだというのが、非常にポイント高い。本当は女性の方も復縁したいけど、間が悪くて、感情が拗れて、行くところまで行ってしまったというパターン。ヤンデレ本人も精神的に追い込まれているため、本人にも逃げ場がないという絶望が最高に唆る。
【3】閉鎖空間横恋慕男
これはちょっとファンタジー入った話。
ある男が叶わぬ恋をするんだけど、その対象の女性に対する思いをこじらせにこじらせて、色々な手を使って追い詰めて、最終的に監禁してしまう。その監禁場所っていうのが、どうあがいても抜け出せない閉じた世界になってる。
当然その女性は抵抗するし、他に好きな人がいるから泣くんだけど、その男はそれを見ながら、「彼女が自分を好きになる事が金輪際なかったとしても『どうあがいても彼女はもうここから逃げられない』という事実が自分にとっては喜びだ」みたいな事を言うんですよ。
イイ。未来のなさが。本人しか幸せじゃない感じが、絶望感が、ヤバいほど萌える。ストーリーはそこで終わるんだけど、ぜひともその後の監禁生活を眺めていたい。
*
これらは二次創作も含まれていて作品の具体名が出せないから私の雑な説明で伝わってるかわからないんだけど、ヤンデレに関してはそんな感じ。
あれ、っていうかヤンデレっていうより監禁萌え……??
いや、ヤンデレだから。たまたまだから!!!
ていうか成就したヤンデレの最終形態ってだいたい監禁……いや監禁が性癖なのは認めるけど。でもそれも、愛ゆえじゃなきゃイヤなんだ。
そういえば以前「白いインテリアは精神を病ませる」っていう記事を読んだ時に「白い部屋に束縛対象を監禁するヤンデレ男」を妄想して最高に萌えたよね。
ぜひとも、精神的にじわじわと追い詰めて愛でて欲しいんです。うふふ。
男のヤンデレばかりになってしまった。ゴメン。女の子のヤンデレ……というか愛が重いキャラも好きですよ。Fateの桜とかイリヤとか。けど女の子のヤンデレはストライクゾーンがかなり狭い。多分、自分自身でおなかいっぱいだから(問題発言)。
こういう感じで、「ヤンデレ好き」と手放しでは言えないのだけど、歪み切った純粋な愛情は、心底大好物です。感情の流れと、相手に対する純粋な執着と愛情を見るのが好きなんだ。
はあ、楽しかった。
次回、他の性癖についても語るかもしれないけど、予定は未定です。