牛の治療中、あれこれ
数日前から出荷できるようになった分娩から間もない牛。
朝、様子を見ると調子悪そうにして、餌も残していた。
獣医さんを呼んで見てもらった所、少し肺炎を起こしかけているということで、抗生物質を投与しての治療となった。
薬が効いている間は出荷はできない
こうして薬を投与した牛には足にバンドを巻いて出荷対象からは外します。
出荷はできませんが、搾らなければ牛は体調を崩してしまうので個別に搾ります。どんなに調子が悪くても1日2回の搾乳は欠かせません。そういう体なので^^;。
数日、点滴などを打って様子を見ていたら体調が戻ってきたのか乳量もずいぶんと戻ってきました。
1回で約15kg、1日に30kgほど搾れるんですね。
ほんと、体大きいとはいえ、よくこれだけの量を体の中に蓄えているなぁといつも感心します。
出荷前には必ず、チェックを行ってから
投与する薬によって休薬期間(=出荷できない日数)が、乳牛、肉牛それぞれで決まっていて、その日数はどれだけ普通に見える牛乳でも出荷しません。
出荷前には必ず、乳質・抗生物質の残留が無いかどうかを確認し、問題無い事を確認できて初めて出荷再開でき、足のバンドも外せます。
抗生物質残留は事故扱い
この酪農の仕事に就いた時に必ず言われるのは、この抗生物質混入が絶対に許されないこと。治療中の牛を間違って出荷してしまうことが無いように徹底的に管理しています。 もし、間違って搾ってしまったら、タンク内の牛乳が全量廃棄になってしまいます。4tぐらいの牛乳が全部廃棄処分になると考えたら想像しただけで恐ろしい・・・・。
近頃の大規模化している牧場だと15tといったタンクもあるので、絶対に間違いは起こせません。
出荷できないのは、牧場の売上減に繋がるのですが、抗生物質混入は信用を失うことにも繋がるので、何重もの印をつけ、チェックして個別に搾って廃棄します。
いまは、この治療も済んで無事出荷再開できているので、個別に搾る牛はゼロ。全ての牛の生乳を出荷しています。