ベテラン牛は知っている。
年末に廃用(=牧場から離れて肉として・・)が確定した3頭の比較的ベテランの牛達。その旅立ちの日がやってきました。
牛は全部知っている
トラックが来た時点で、牛舎内の牛達は急に立ち上がったり鳴いたりして騒がしくなります。
そして、件の牛を外に出そうと金具を外してみても、一向に出ようとしない。何人がかりでやってみてもダメ。
もう10歳近いベテラン牛になるとすべてお見通しなんですよね。
引いてもダメなら前からということで、前に出してそのまま歩かせるようにしたら、スムーズに歩いてトラックにも比較的スルッと乗ってくれた。お疲れさまでした! と声をかけてトラックを見送りました。
牛の新陳代謝は常に必要
年間で10頭〜20頭ぐらいの牛が自然淘汰や傷病などによって廃用となり牧場を離れていきます。代わりに新しく分娩・搾乳する牛達がやってくることで、牧場の牛は定期的に入れ替わっていきます。経済動物である以上、大切なことです。
廃用牛はその後どうなるか?
牧場から出ていった牛はどうなるか。
ここで、牛についている耳標番号を入れるとその後がわかります。
調べてみると、牧場から出ていったその日に屠畜されたことがわかります。
餌を与えるわけにもいかないし、切ないけど。
様々な仕組みが牛や酪農家を支えている
”可哀想”だけで考えちゃいけないのが農業・酪農。牧場にいる僕達は敬意と愛情を持って牛達に接していますが、それでも役目を終えるしかない牛もいます。 そんな牛を一手に引き受けてくれるこうした仕組みがあるおかげで酪農家は安心して日々の仕事に取り組むことができます。
他にも様々な方が関わっていますが、また折を見て触れていきます。