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雑草詩句短歌 ブランデー詩18.

荒廃した我が家の2階のガラス戸を開けると  そこに春の大気が満ちわたる海の潮のように押し寄せ渦巻いていた  そこには五十代の私でなく十代の私の心に降り立ったミューズの如き何ものかの再訪があった  この地で青春を送った私にまた第二の青春を告げ知らせる為に       肉体は衰え人生の大半を使い尽くして何ものも得られなかった私に  もう一度繰り返し嵐のような自由と再びの数十年にわたる旅路を与えてくれる   何も得られなかった事とは何もなさなかった事ではない  春の女神の息吹がこのあと継ぐもののいない建物に流れこんでくる         それは霊的な春だった  それは目に見える川ではない 山のむこうの海ではない    時空を超えて私に今ふれたのは永劫の春の世界の気配だった  若者の胸を深く掘り下げ焼き尽くし地上を彷徨わせる永遠の女神が予告する海のような幻想の糧  あらゆる詩人達の焦燥  死と再生をつなぐもの  命の命たる根源  老いたる肉体で荒地に行き童にもどる儀式なせ  地上の真の歩き方をしてあの世の天空を飛翔する翼そなえよ  精霊達が私のまわりに降り立ち私を取り囲む